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カエル

イズミ

作者: KazekaHun

稲刈りの季節。裏の田んぼでは農家の人がマシンに乗って黙々と稲を刈っている。

舞い上がった稲の屑のせいか日も暮れないうちから空が霞みがかったように赤くなる。

夏に比べればただでさえ日の光が短くなっているのにそれを助長しているかのようだ。

昼に目を覚ましたはずなのに気づけばすでに夕方の景色ってのはなんとも気が滅入ってしまう。

起きて一番鼻をすする。

「やー、今年もアレルギーが出てきたね」

この季節は毎年のことだった。

市販の風邪薬を、と思って引き出しを開ければ乾燥剤だけが入った空の瓶が出てくる。

「くそー」薬ってのが一人暮らしの若者には案外高価な代物で、なかなか買いに行かないのだが、買ってしまえばまるで万能薬のようにちょっとしたことですぐに飲んでしまう。

仕方ない。どっかでもらったポケットティッシュを鞄に突っ込み部屋を出る。

気の早い夕暮れの中を、豊穣とアレルギーの表象の風景を突っ切ってあたしは歩く。

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