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プロローグ

暇だ。

本当に暇だ。

高校に入って一年目の夏休み。

夏課外の帰り道、俺は青春という時間を無駄に過ごしてブラブラとしていた。

勉強は余裕だし、彼女を作る気にはなれない。

当初の予定では部活を謳歌しているはずだったのだが、小学校のころから剣道をやってたので剣道部に入ったのはいいものの、同級生含め先輩達もレベルが低く相手にならず、つまらなかったのでやめてしまった。

そういうわけで夏休み開始3日目にして暇という現実に直面した俺は街を適当にブラブラと歩いているわけだ。


「うちでバイトしてみませんか?」


通行中、渡されたのはよくあるデパートのヒーローショーの敵役勧誘のチラシ。

1日5時間で5000円と中々いいバイトだ。

そうか。バイトか。

この持て余した時間をバイトに使うのも悪くないかもしれない。

金はあるに越したことはないし、いい暇つぶしになるだろう。

そう思いながらもクシャクシャとたった今もらった広告を丸め、ゴミ箱に入れる。

バイトをするにしてもこのようなバイトはしない。

面白そうといえば面白そうだが、この夏場、ヒーローショウの敵役なんてきっと暑いだろう。

別に高給じゃなくてもいい。

面白そうで涼しい。

そんな場所でバイトをしたい。

と、そんな時、俺は一枚の貼り紙が目に入ってきた。


『急募:勇者を倒せる方募集しています。

給与:出来高

優遇:特になし

必要免許:なし

涼しい場所での仕事です』


サインペンで書いただけの、たったそれだけの文。

場所も書いていなければ電話番号を書いているわけでもない。

それでも俺はその貼り紙の内容に引かれた。

勇者を倒せる方……?

なんだそれ……?

一体どんな仕事だろうか。

でも給与が完全出来高制で職場環境は涼しい、か。

面白そうじゃねぇかよ。

迷いはなかった。

すぐに貼り紙を剥ぐと何か書いていないかと裏面を見る。

瞬間、目の前が真っ白になり、俺は不思議な浮遊感に見舞われた。


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