そのに
その2です( ´ ▽ ` )ノ
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はい、ワタクシ、現在、徒歩で【お婆ちゃん】のお家へ【お使い】に行く途中です。
家から伸びる小道は、村を抜け、林を抜け、もうじき途中の草原にかかることでしょう。
「いい天気だな〜〜〜〜〜〜」
昼前の青空はさんさん太陽にちっさい綿菓子みたいな白い雲があちこちぷっくり漂って、暴力的なまでに『長閑』をふりまいていた。
木立の合間から遠くに見える山々も緑に覆われていて、木漏れ日キレイですよええ…。
「ううう…痺れてきた…」
右肩にかけていたカゴを、いったん外して左肩に掛け直す。
重い……10才位の少女に持たせる重さなのか、これ?
肩の座りのバランス悪かったので、持ちての部分を軽く揺するとカゴの中身が擦れる音がする。
「よっこいしょ」
肩にかかり直す重さと一緒にワタシは、【お母さん】のお願いを思い返していた。
◇ーーーーー◇ーーーーー◇
「童話健全維持機構?」
【お母さん】がいれてくれた美味しい紅茶を飲みながら、ワタシは今まで聞いたこともなかった単語を復唱した。
【赤ずきん】と【お母さん】の家は、バッチリ洋風のログハウスだった。
木調の内装に、ところどころタペストリーや可愛い飾り付けがついているなど、いわゆる中世のドイツや北欧のイメージのようだ。
ドライハーブが飾られていて、ラベンダーっぽい良い香りもほんのりとする。
おしゃれな感じになるんだな〜と内心感心していると、【お母さん】はクッキーをお皿に出してくれながらさらに説明してくれた。
曰く、ココは夢であって夢でないところ。
ワタシは、自分の部屋で眠っているが、夢でなく精神だけ『ココ』にいて、身体の方は問題ない。
【お母さん】は、童話健全維持機構の人で【赤ずきんのお母さん】とのシンクロ率がいいので抜擢され、【赤ずきん】の適合者を待っていた…と。
「主人公クラスは、何万人に一人だからスゴイのよ」
【お母さん】は『褒めて』くれるが、なんだろう?何か嫌な予感がして、素直によろこべない。
童話健全維持機構は、刻々と変化する世界状況と童話世界の間を調整し、なるべく原点の状態を維持する機関なんだそうで、このところの社会情勢で、【赤ずきん】世界が『ちょっとばかり』おかしくなっちゃってきたので、お手伝いして欲しいとのこと…。
「成功条件はね【赤ずきん】ちゃんが【お使い】で、お婆ちゃんのお薬を渡せる事」
お婆ちゃんの家は、【赤ずきん】の家から徒歩半日、到着と目的達成後、自動的にワタシは身体に戻り、ちょうど朝らしい…。でも、なんでそんな『簡単そうな条件』なのに、ワタシのお手伝いがいるんだろう。
ワタシは疑問が顔に出ていたのか【お母さん】が苦笑して、さっき渡そうとしてたカゴを机の上に置いた。
カゴの中身を見せてくれるらしい。
籐で編まれたような、いかにもなカゴ。
赤と白いの可愛い格子の布ナプキンがかかって、可愛らしさがアップしている。
ちょっと大草原の小さな家っぽくって、ドキドキした。
美味しそうな匂いもしてたしね♬
カゴの中身は、ワイン瓶と【お母さん】特製ミートパイとブルーベリーパイ。
おおお〜王道‼美味しそう!
サクッとしてそうなこんがりパイ生地が、いい匂いの元だった。
生地から覗くブルーベリーの色がまた食欲をそそる。
ワインは赤かあ、そうだよね、なんだっけポリフェノールだかなんだかがあって身体にいいんだっけ?
お土産でもらえないかなあ、無理かなあ。
カサリと軽い音がして、小さい白い紙袋が置かれる。
お婆ちゃんのお薬、コレがキーアイテムね。
うんうんとうなずいていると、【お母さん】は丸いリンゴの様なものをゴトリと机の上に置いた。
次々出てくる…丸い…リンゴ?
ヒモ?ついてるし、なんかメタリック…。
ワタシが丸い物体を見つめてるのに気が付いて【お母さん】が教えてくれた。
「これはね|M67破片手榴弾《別名アップル・グレネード》よ」
おおおおおおおおおおおおお、【お母さん】っ!
…ってか、奥さんっ‼
ナンデスカ!なんでお婆ちゃんとこ行くのに手榴弾持ってくんですか⁉
しかも‼名前だけ無駄にフルーティー‼
「あとね〜コレは両手で扱ってね♬
【赤ずきん】ちゃん手が小っちゃいから片手撃ちはダメよ」
【お母さん】がウインクしながら取りだしたのは拳銃に、続いて弾倉。
手が小っちゃいからとか関係なくね?ここ童話世界デスヨネ⁉
ガン@リンガー・ガール世界じゃないですよね?
【赤ずきん】ちゃん、肉体強化されてるんですか⁈
「こっちのほうが多分使い勝手いいかも…」
【お母さん】うふふと一人納得して、最後のアイテムを取り出してきた。
ウフフじゃないよ!
おかーさーん…ナイフ…コレ、ギザギザついてて、刃が黒く塗ってあるよおお……。
なんかあ、あれだよ、ランボーとか振り回してそうだよ。
ワタシ、只のOLですけどっ!別にちょーっとアニメとか漫画読んだりして知識はなくはないですが、使ったことも触ったことも無いんですが!
ええ?お婆ちゃんちって、どこだっけ?どっかの国際紛争指定地域?
あれ?可笑しいな、なんか目の前がボヤけて見えるヨ。
ワタシは、ちょっとどころじゃなくて涙目になって【お母さん】の顔を見た。
「あ、使い方は【赤ずきん】ちゃんの身体に教えてあるから大丈夫♬」
【お母さん】から、そりゃもうとっっっても暖かい微笑みで返されました。
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( ´ ▽ ` )ノ 続きます




