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卒園式 答辞
なし
小一時間探して
淳が見つかったのは、
保育園とは
目と鼻の先の
近所の
境内であった。
そう
幼少の場所である。
何事もなかったかのように
白い玉砂利で
遊んでいたそうだ。
今時の子どもからは
想像もできない
度胸と
勇氣のある。
そう、
肝の据わった者である
と言えよう。
おもしろいのは
園長先生に
辞職を覚悟させ
よもや
そんな騒ぎを起こしながら
何事もなかったかのように
淳は
卒園式で
代表を務めた。
向かい合って
それを
聞く
園長先生の
心痛は
いかばかりか
誠に残念であるが
誰も
淳の暗記力に
勝てなかったのである。
そして
そういった式において
ある意味で
悪ガキは
先生方の
涙を誘うものである。
なし