Var.Ⅷ:Fughetta:Allegro con moto
「なあ真田。」
「なんだい?鎌田。」
二人は街道を歩きながら喋っていた。
「変奏曲を物語にするのは無理があるよね。」
「確かにねー。」
誰かが後ろから背中を二回叩いた。老人であった。
「あああああぁぁぁぁ!!!」
マリー=真田そのめくるめくさまざまな光景を抜けていった。だが、またその光景が聞こえてくる。
「なあ真田。」
「なんだい?鎌田。」
ジョンが走っていた。驚くことにいつの間にマリーはジョンとほぼ同じ位置にいた。だが、マリーのほうが影が薄く、ジョンは彼女を識別できない。ジョンが幻影に惑わされている間「こっちよ!」「見える?」とか叫んでみたが何も効果はない。
そうして二人は走り続ける。「あああああぁぁぁぁ!!!」 という叫びが聞こえる。
「なあ真田。」
「なんだい?鎌田。」
また光景が聞こえてきた。鎌田だ。ジョンは鎌田と同じ位置にいることに驚くが、ジョンのほうが影が薄く、蒲田はジョンを識別できない。鎌田が幻影に惑わされている間「こっちだ!」「見えるか?」とか叫んでみたが何も効果はない。
マリーもジョンよりいっそう影が薄くなり、そう叫ぶジョンに何かしら呼びかけようとしたが諦めてとぼとぼと歩いていた。
そうして三人は走り続ける「あああああぁぁぁぁ!!!」 という叫びが聞こえる。
そのとたん、三人は同じ場所にいることに気付いた。そこはプレイランド。喜遊部の世界。たちまち乱闘が起きる。ジョンと鎌田がケンカをし、マリー=真田が止めに入るができない。そのうち、ジョンにあの光景が押し寄せ、そのとたん三人はお互い違う世界へとまた分けられてしまう。
「なあ真田。」
「なんだい?鎌田。」
二人は街道を歩きながら喋っていた。
「変奏曲を物語にするのは無理があるよね。」
「確かにねー。」
誰かが後ろから背中を二回叩いた。老人であった。
「あああああぁぁぁぁ!!!」
その叫びと共にまた三人はプレイランドに押し込められ、乱闘騒ぎ。テーマの幻想が来ては乱闘、幻想が来ては乱闘、幻想に乱闘、幻想、乱闘、幻想、乱闘、乱闘、乱闘、乱闘。
「もうこんなのはまっぴらだ!」
真田は叫び、マリーやジョンや鎌田の人形を全て放り投げてしまう。今まで自分は何をしていたんだ?何を遊んでいたのだ?だいたい、ここはどこだ?人形が消滅したとたん、真田は何もかもが暗黒の場所にいる事に気付いた。地面に座ってるのかどうかも疑わしい。
彼が「どこだあ!」「どこだあ!」と叫んでいる時に誰かが後ろから背中を二回叩いたので、一瞬あの老人ではないかとヒヤリとしたが、振り返ったら鎌田であった。
「もうすぐ、終わるよ。真田君。」