Var.Ⅳ:Tempo Ⅰ
「ナア真田。」
「ナンダイ?鎌田。」
二人ハ街道ヲ歩キナガラ喋ッテイタ。
「そなた形式ッテ現実的ニ物語シヤスイジャン?」
「アァ、確カニ。比較スルモノガアッテ、ソレガ展開スルカラネ。」
「例エバまりーチャントじょんクンミタイナ別ノ調同士ノ人タチガサ、展開部デ喧嘩シテ、デモ話シ合ウ内ニ同ジ調デ仲良クナルミタイナ感ジニサ。」
「身近ニ例エヤスイ点デ庶民的ナ形式ダヨナ。」
「ウン。」
「ろんど形式ダト、ナンカアチコチ行ッテ帰ッタリミタイナ話トカデキルヨネ。」
「実際てきすとノ形式ガ元ダカラネ。」
「三部形式ダッテソウ。」
「マア音楽ハ歌カラ始マッタカラ、物語ニ例エラレル現実性ハアルンデナイノ。」
「ソウ、ソノハズダケド…分カラナイノガ一ツアル。」
「何?」
「変奏曲。」
「アァァァナルホド。アレハ小曲ヲドンドン改造スルミタイナ曲ダカラナンカ音楽的ナ操作ガ目的ミタイナモンダヨネ。気分ノどらま性ハアッテモ標題的ナ明確サハ確カニ薄イ。」
「マサニ器楽的。」
「Oh,yeah~」
「ダカラ変奏曲ヲ物語ニスルノハ無理ガアルヨネ。」
「確カニネー。」
「ぶらーむすナンカ、最後ニぱっさかりあミタイナノ持ッテクノ好キダケド、ぱっさかりあトカ物語ニスルノナンカモット無理ガアル。」
「マアナ。」
ソノ時、誰カガ後ロカラ背中ヲ二回叩イタノデ、何ダロウト真田ハ振リ返ッタ。ツラレテ鎌田モ振リ返ッタ。ソレハ老人デアッタ。老人ハ叫ンダ。
「さて、君たちはこれからある実験に参加していただくことになる。ある一つの世界に君たちを押し込めた。どうなるかは責任者が決めることだ。わたしは案内人。そんなわけで、本来の業務に戻ってアアアアアァァァァ!!!」
ソウ言ッテ老人ハ後ロヲ振リ返リ、走リ去ッテイッタ。
鎌田ハ言ッタ。
「…今ノハ何ダッタンダ…」
「…分カラナイ…」
「変ナオジサンモイルモンダナ。」
「アア。」
「トコロデ、アノでぱーとデチョットオ買イ物スルガソレニ付キ合ウカ?」
「イイヨ。」
鎌田ガでぱーとデ長イれじヲ待ッテル間、暇ダッタシ話シ疲レタタメ真田ハCD・DVDこーなーニ立チ寄ッテイタ。イツモ裏面ノ映画ノ広告ヲ見ルノガ彼ノ楽シミダッタ。怪物ものヲ特ニ好ンデイタ。
ソシテげーむこーなーニモ立チ寄ッテ、げーむノぷれい画面ニ見入ッテイタ時、誰カガ後ロカラ背中ヲ二回叩イタノデ、一瞬アノ老人デハナイカトひやりトシタガ、鎌田デアッタ。
「これって夢だよな。」