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Finale: Passacaglia  Maestoso

「なあ真田。」

「なんだい?鎌田。」

二人は街道を歩きながら喋っていた。

「ソナタ形式って現実的に物語にしやすいじゃん?」

「あぁ、確かに。まあ音楽は歌から始まったから、物語に例えられる現実性はあるんでないの。」

「そう、そのはずだけど…分からないのが変奏曲。」

「あぁぁぁなるほど。あれは気分のドラマ性はあっても標題的な明確さは確かに薄い。」

「まさに器楽的。」


その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうと真田は振り返った。一瞬あの老人ではないかとヒヤリとしたが、鎌田であった。

「なあ真田。」

「なんだい?鎌田。」

二人は街道を歩きながら喋っていました。

「ソナタ形式って現実的に物語にしやすいじゃん?」

「あぁ、確かに。まあ音楽は歌から始まったから、物語に例えられる現実性はあるんでないの。」

「そう、そのはずだけど…分からないのが変奏曲。」

「あぁぁぁなるほど。あれは気分のドラマ性はあっても標題的な明確さは確かに薄い。」

「まさに器楽的。」


その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうと真田は振り返りました。一瞬あの老人ではないかとヒヤリとしたけど、鎌田でした。

「なあ真田。」

「なんだい?鎌田。」

二人は街道を歩きながら喋っていました。

「ソナタ形式って現実的に物語にしやすいじゃないですか?」

「あぁ、確かに。まあ音楽は歌から始まったから、物語に例えられる現実性はあるんじゃないですか。」

「そう、そのはずですけど…分からないのが変奏曲。」

「あぁぁぁなるほど。あれは気分のドラマ性はあっても標題的な明確さは確かに薄いですね。」

「まさに器楽的。」


その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうと真田は振り返りました。一瞬あの老人ではないかとヒヤリとしたけど、鎌田でした。

「なあサナダ。」

「なんだい?カマタ。」

二人は街道を歩きながら喋っていた。

「ソナタ形式って現実的に物語にしやすいじゃねーの?」

「確かにな。まあ音楽は歌から始まったから、物語に例えられる現実性はあるんじゃねーか。」

「そう、そのはずだが…分からないのが変奏曲。」

「あぁぁぁなるほど。あれは気分のドラマ性はあっても標題的な明確さは確かに薄い。」

「まさに器楽的。」


その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうと真田は振り返った。一瞬あの老人ではないかとヒヤリとしたけど、鎌田であった。

「サナダ。貴様・・・・」

「カマタ。なんだよ。」

二人は街道を歩きながら喋っていた。

「ソナタ形式って現実的に物語にしやすいじゃねーって言ってたんじゃねーのか!」

「確かにな。まあ音楽は歌から始まったから、物語に例えられる現実性はあるとか言ってたよな!」

「そう、そのはずだが、分からないのが変奏曲なんだよぉ。」

「なるほどそうか。あれは気分のドラマ性はあっても標題的な明確さは確かに薄いからな!だから何だ!」

「まさに器楽的。」


その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうと真田は振り返った。一瞬あの老人ではないかとヒヤリとしたけど、鎌田であった。

「サナーダの奴、死ねっ!」

「カマータこそ二度と現れるな!」

二人は街道で喧嘩しながら罵りあっていた。

「ソナタ形式って現実的に物語にしやすいから、それが何だ!」

「知るか!音楽は歌から始まったから、物語に例えられる現実性はあるとか言ったがな!」

「そうだとしても…結局変奏曲はわかんねーじゃねーか!」

「あぁぁぁなるほど。この世界は気分でしか進んでない!何も明確なものはない!」

「器楽的な皮肉だな。」

その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうと真田は振り返った。あの老人であった。


「あああああぁぁぁぁ!!!」

「あああああぁぁぁぁ!!!」

二人は叫びあった。

「あああああぁぁぁぁ!!!」

「あああああぁぁぁぁ!!!」

「あああああぁぁぁぁ!!!」

「あああああぁぁぁぁ!!!」

「あああああぁぁぁぁ!!!」

その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうと真田は振り返った。一瞬またあの老人ではないかとヒヤリとしたが、鎌田であった。


「なあ真田。」

「なんだい?鎌田。」

二人は街道を歩きながら喋っていた。

「ソナタ形式って現実的に物語にしやすいじゃん?」

「あぁ、確かに。まあ音楽は歌から始まったから、物語に例えられる現実性はあるんでないの。」

「そう、そのはずだけど…分からないのが変奏曲。」

「あぁぁぁなるほど。あれは気分のドラマ性はあっても標題的な明確さは確かに薄い。」

「まさに器楽的。」

その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうと真田は振り返った。一瞬あの老人ではないかとヒヤリとしたが、ジョンであった。


「ねえねえジョンくん。」

「なんだい?マリーちゃん。」

二人は街道を歩きながら喋っていた。

「ここって現実的に物語なの?」

「あぁ、確かに。まあ音楽をモチーフにしてるから、物語のような現実性はあるんでないの。」

「そう、そのはずだけど…変奏曲だよ。」

「あぁぁぁなるほど。気分でしか定義されてないで何も明確なモノがないんだね。」

「まさに器楽的ね。」

その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうとマリーは振り返った。一瞬またあの老人ではないかとヒヤリとしたが、デイビスであった。


「行かないで・・・・行かないでデイビス・・・・」

「うるさい!もう君には失望したんだ!」

二人は街道でもめていた。

「ここが現実的に物語にしやすいってあれ程言ったのに!」

「あぁ、確かに。まあ音楽は歌から始まったから、物語に例えられる現実性はあるじゃないとも言った。でもどうでもいい!」

「そのはずなのに、…分からないわ、どうしてここは変奏曲なの。」

「あぁぁぁなるほどな。あれは気分のドラマ性はあっても標題的な明確さは確かに薄い。君とももう薄い。じゃあな。」

「まさに器楽的な悲劇ね。」

その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうとデイビスは振り返った。またあの老人であった。


「なあデイビス。」

「なんだよ?おっさん。」

二人は街道を歩きながら喋っていた。

「キサマだろう?ここを音楽的な物語にしようと企んだのは?」

「あぁ、確かに。まあ音楽は歌から始まったから」

「ごたくはどうでもいい。お前にはこうしてやる。」

「あああああぁぁぁぁ!!!」

「しまった、こいつも主犯だが、操り人形だ。やられた」

その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたので、何だろうと真田は振り返った。一瞬またあの老人ではないかとヒヤリとしたが、鎌田であった。


「なあ真田。」

「なんだい?鎌田。」

二人は街道を歩きながら喋っていた。

「ソナタ形式って現実的に物語にしやすいじゃん?」

「あぁ、確かに。まあ音楽は歌から始まったから、物語に例えられる現実性はあるんでないの。」

「そう、そのはずだけど…分からないのが変奏曲。」

「あぁぁぁなるほど。あれは気分のドラマ性はあっても標題的な明確さは確かに薄い。」

「まさに器楽的。」

その時、誰かが後ろから銃で背中を二発撃ったので、真田はそのまま倒れた。一瞬またあの老人ではないかとヒヤリとしたが、鎌田であった。


「なあ・・・・・真田。」

「なんだよ鎌田・・・。」

二人は病室で会話していた。

「いい加減こんなお遊びも御免だ。お前はいつまで逃げてるんだ?」

「・・・・音楽は歌から始まった・・・・」

「うるせえ。」

再び銃声。

「あぁぁぁ・・・・・なるほど・・・・これが全ての真相か・・・・・。」

「やっとわかったみたいだな・・・・。」

その時、誰かが後ろから背中を二回叩いたような感触がしたので、何だろうと真田は振り返った。一瞬また鎌田ではないかとヒヤリとしたが、あの老人であった。


「大丈夫か?ジョン。やっと正気に戻ったか。」

「ジョン・・・?僕は・・・・真田だ・・・」

二人は病室のベッドで会話していた。

「いいや、君はジョンだ。架空の人物サナダに成りきって、カマタとかデイビスとかマリーとか、果てはワシまで、君の中の虚構で形作られた。」

「あの私を撃った男は・・」

「隣の患者だ。君の狂った頃の話を真に受けたそうじゃな。自分をカマタだと思い込んだ。そしてどこから銃を入手したのか分からないが、君を撃った・・・・ワシの不注意じゃ・・・申し訳ない・・・・・。」

「そんな・・・・。」

「君は、才能ある作曲家として賞賛されていた。だが、ある日書けなくなり、書けなくなって、とうとうおかしくなった。メイドのマリーを間違って殺して、君は完全に妄想の世界に逃げてしまったのだよ。」

「ウソだ・・・・・。」

「もちろん。」

医者の老人は窓を見つめてぼそりと言った。

「これはウソじゃ。残念だったな。変奏曲は終わりじゃ。」

「あああああぁぁぁぁ!!!」


Fine

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