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枕草子 -現代風-  作者: 葉山乃
第2章 人のかたち、心のうつろい -宮中に咲く恋と毒舌-
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宮中日常録

朝、内裏だいりの廊下を歩くと、

そこかしこに笑い声と囁きが溶けている。


恋の話。

噂話。

そして、誰かの悪口。


「ねぇ聞いた? あの右近の女房、殿方に手紙をもらったんですって。」

「まぁ……それ、返事はどうなったの?」


私は横を通り過ぎながら、扇で口を隠して笑う。

「恋文の行方ほど、面白い物語はないわね。」


――宮中という場所は、まるで万華鏡だ。

光の角度ひとつで、人の顔がころころ変わる。


笑顔の裏に計算があり、

沈黙の奥に企みがある。


でも、それが退屈を凌ぐ最高の娯楽でもあった。

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