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秋は夕暮れ
秋は、終わりの美しさを教えてくれる。
日が傾き、空が茜に染まる。
金色の雲が風に流れて、
まるで絵巻物のようにゆっくりと空を渡る。
「夕暮れって、時間の中でいちばん切ないね。」
そう言うと、誰かが「なぜです?」と尋ねた。
「だって、終わることを許してくれるから。」
夕陽が沈むとき、人も自然も静かに黙る。
何も語らず、ただその美しさに飲まれる。
雁が列をなして飛んでいくのを見ながら、
私はそっと息をついた。
「あれ、どこへ行くのかしら。
……いいな、行く場所があるって。」
風が頬を撫でる。
秋の夕暮れには、どうしてこんなにも“寂しさ”が似合うのだろう。




