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枕草子 -現代風-  作者: 葉山乃
第4章 恋文の章 —愛の形と、言葉の魔法—
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恋の終わり、文の永遠 / 恋文の心得

その人とのやりとりは、やがて途絶えた。

理由はわからない。

けれど、文の束は今も香を放っている。


「終わった恋ほど、美しい香りを残すのね。」


女房たちは涙を流したが、私は微笑んでいた。


「だって、文の中では、彼はいまも生きているもの。」


言葉は、時を閉じ込める器だ。

声も姿も消えても、文字は残る。

それが、書く人間の残酷であり、救いでもある。


————————————————————–


私は後に、若い女房たちにこう教えた。


一、文は短く。余白に想いを残す。

二、香を焚くべし。香りは言葉を超える記憶なり。

三、返事を急ぐな。間こそが恋の呼吸なり。

四、嘘をつくな。だが、本心はすべて書くな。


「恋文とは、心を全部見せない芸術なの。」

と、微笑むと、若い女房たちは顔を赤らめた。


「少納言様は、まるで恋の指南役でございますね。」


「指南じゃないわ。生きる稽古よ。」

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