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枕草子 -現代風-  作者: 葉山乃
第4章 恋文の章 —愛の形と、言葉の魔法—
23/29

文に宿る「顔」 / 夜の独白

恋文は、顔を描く鏡のようなものだ。


姿を知らずとも、筆跡の呼吸でその人の気配が伝わる。

墨の濃淡、行の揺れ、余白の取り方。


「丁寧すぎる人は、距離を保ちたい。

書き急ぐ人は、心が追いつかない。」


そして――

「私のように、少し遊ぶ筆を持つ者は、恋も遊ぶ。」


恋は、駆け引きよりも“呼吸”だと思う。

文の間に漂う空白こそ、愛の余韻。


それを理解できる人とだけ、私は文を交わした。


—————————————————————


月明かりの下で、筆を置いた。

灯の火がゆらゆらと揺れている。


「恋って、不思議ね。」


書いている間は、相手のことを思っている。

でも、書き終えた瞬間、もう少し冷静になる。


「まるで恋そのものが、筆の中で燃え尽きるようだわ。」


それでも、人は文を書く。

たとえ返事が来なくても。

たとえ想いが届かなくても。


言葉にした瞬間、それは「存在」になる。

誰かに愛を伝えるというより、

自分の心を確かめるために――。


「私は、書くことで恋をしているのかもしれない。」

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