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枕草子 -現代風-  作者: 葉山乃
第4章 恋文の章 —愛の形と、言葉の魔法—
22/29

返文

数日後。

私の手元に、彼からの文が届いた。


『筆の震えは風のせいか、それとも恋のせいか

あなたの言葉が春よりも香しくて困ります』


……上手すぎる。


私は思わず笑って、扇で顔を隠した。

「やるじゃない、殿方のくせに。」


恋文は戦いだ。

負けてはいけない。

私は筆を握り直し、墨をすった。


『風のせいなど、よもあらじ。

震える筆は、心の証。

あなたの文、香のごとく胸に残ります。』


書きながら思った。

――恋って、言葉の中でこそ、美しく咲く。

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