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枕草子 -現代風-  作者: 葉山乃
第4章 恋文の章 —愛の形と、言葉の魔法—
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言葉は恋の影 / 恋文の作法

恋とは、心が書く詩。

でも、声に出した瞬間に壊れてしまうこともある。


だから私は、筆で恋をする。


紙の上なら、誰にも邪魔されずに、

心をまっすぐ伝えられる気がするから。


「ねぇ、少納言様。恋って、どうして痛いんでしょうね。」


女房のさよりが、香を焚きながら呟いた。

私は少し笑って答えた。


「痛くなきゃ、恋じゃないわ。

 ――だって、心のどこかを刺してこそ、恋でしょ。」


————————————————————


宮中では、恋文のやりとりは一つの芸だった。


墨の色、紙の香り、折り方、言葉の余白。

それらすべてに、その人の心が宿る。


「恋文ってね、読むより“開く瞬間”がいちばんの勝負なの。」


紙の端をほどく指先の震え。

香りがふわりと漂うと、

相手の顔が自然と浮かんでくる。


恋文とは、

相手に心を届けるというより、

相手の心を呼び起こすための魔法なのだ。

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