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感性という刃 / 夜、ひとりで
私はよく言われた。
「あなたは冷たい」「毒舌だ」と。
でもね、感性が鋭い人ほど、
他人の痛みも早く見つけてしまうの。
それを黙っていられないから、
筆にしてしまうだけ。
「優しすぎる人は、残酷に見えることもある。」
それでも、書く。
私にとってそれは、生きる呼吸だから。
“をかし”を探すことは、
世界を責めずに受け入れる練習でもあるのだ。
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月が昇る夜。
皆が寝静まったあと、私はひとりで硯に向かう。
墨をする音が、夜の鼓動に似ている。
書くほどに、心が静かになる。
「世界って、うるさいのに、
書いているときだけ、こんなに静か。」
“をかし”を探すというのは、
外の世界を覗くことではなく、
自分の中の“静けさ”を見つけること。
私は紙に、ただ一言記した。
「をかし、とは、
世界を愛するための言葉なり。」




