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美の基準は心にあり
あるとき、ある女房が言った。
「清少納言様は、どうしてそんなに“美しいもの”を見つけるのが上手なのです?」
私は少し考えてから、笑って答えた。
「美しいものを探すんじゃないの。
美しいと思える自分でいるのよ。」
その瞬間、彼女はぽかんとした顔をした。
でも、本当のことだ。
人は、心が荒んでいると、
花を見ても、ただの花にしか見えない。
けれど、心が澄んでいると、
同じ花の中に“宇宙”が見える。
「だから、心の眼鏡を曇らせないようにしているの。」
それが、私にとっての“をかしの修行”だった。




