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枕草子 -現代風-  作者: 葉山乃
第3章 をかしの哲学 -清少納言、美を定義す-
15/29

ただの「かわいい」ではない

「をかし」――。


現代で言えば「おもしろい」「かわいい」「趣がある」。


———けれど、私にとってそれは、そんな軽い言葉ではなかった。


“をかし”とは、

世界がふと自分に語りかけてくる瞬間のこと。


花が咲くのを見ても、

人の微笑みを見ても、

心がふっと揺れたら――それが“をかし”だ。


——————————————————



ある夕暮れ。

私は御簾(みす)の陰から、外を行く人々を眺めていた。


貴族の行列。

商人の荷車。

遊女の笑い声。


同じ都に生きながら、

誰一人として同じ歩幅では歩いていない。


「それぞれの生き方が、もう“をかし”なのね。」


と、傍らの女房に言うと、彼女は首を傾げた。


「人のことをそんなふうに見て、楽しいですか?」


「楽しいというより……ありがたいのよ。

 人を見ていると、自分が世界の中にいると実感できるから。」


「をかし」とは、

見る目と、感じる心が出会った瞬間に生まれる。


それを知っている人は少ない。

でも、知ってしまうと、もう日常のすべてが輝いて見えるのだ。

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