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枕草子 -現代風-  作者: 葉山乃
第2章 人のかたち、心のうつろい -宮中に咲く恋と毒舌-
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中宮定子

ある夜、私は灯の下で中宮様(定子)に呼ばれた。

白い衣に包まれたその姿は、まるで月のように静かだった。


「少納言、あなたの書く言葉は不思議ね。」


「不思議、でございますか?」


「ええ。あなたは、人の心の裏まで見ているのに、

 決して悪意で書かない。」


私は少し黙ってから微笑んだ。


「悪意で観察すると、世界は濁って見えます。

でも、“をかし”で見れば、どんな人も少し可愛らしく見えるのです。」


定子様は優しく頷いた。

「……だからこそ、あなたの筆は光るのね。」


その言葉が、胸の奥で小さく灯った。

あの日から、私は書くことを“祈り”のように思うようになった。

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