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無礼金 ザ・牢

作者: 歌川 詩季

 私はいや。

 いまどき敷金なしの物件なんてありえない

 だけどここにぶち込まれりゃあ

 礼金無しで()()を得ることができるよ


 無礼金 ザ・牢


 釈放あとに敷金が返ってきてほしいなら

 きょうが何月何日か 数えるためだろうと

 壁に「正」の字を刻むのはやめとくんだな

 質素ながら三食にはありつけるんだし

 尋問 拷問にかけられる秘密をかかえることなく

 懲役の労働罰を負わされてなければ

 昼寝だって し放題

 暇すぎて読書家になるやつや

 筋トレにはげむやつも少なくないけど

 この食事じゃあタンパク質が不足するのは

 あきらめてくれ


 じゃあ 総合的に考えて 安くつくのかといえば

 そこには大きな落とし穴が

 なんだかんだでかすめとられる共益費と

 礼金の代償として 奪われる自由が

 結果的には高くつくんだ


 外界からの隔離が 逆に心地(ここち)よかったり

 逢いたいひとたちもいなくて

 読書と筋トレを生きがいにできるなら

 その範囲の自由でも苦にはならないって

 変わり者もいないとは限らないけど

 おれはまっぴらごめん


 高い礼金を払わされようと

 敷金が1円たりとも返ってこなくなっても

 こんな牢をぶちやぶって 何処(どこ)か新しい()()

 礼金まで支払ったら 囚人から住人にうまれかわるのさ

 おれは外の世界で暮らしたい


 無礼金 ザ・牢 おれはまっぴらごめん

 無礼金 ザ・牢 おれは外の世界で暮らしたい

 プリズン・ブレイクではなく(笑)

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― 新着の感想 ―
アハハハ!! 私も嫌です!!
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