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すったんぱったん  作者: ha
8/10

恥とこよなき幸せ

「恥知らずめ」

神様は、冷めた顔で私を見つめて、語り始めた。

「ごめんなさい」

「ふふっ、冗談よ。恥知らずの隣人とは、こういう人のことを言うの。

 一つ、自分の出来る仕事を引き受けない。怠惰な者

 二つ、良い言葉だけ囁き、何も行動に移さない。嘘つきな者

 三つ、関係の悪化を恐れて、良き忠言をしない。聞くだけの者」

私は少し疑問に思って、神様に尋ねた。

「隣人に期待することもまた、執着ではないですか?」

「さあ。この締めくくりは独居の安寧を謡ってるけど、そうなのかもしれないわね」

そう神様は言った。私は恥とは何かと考えながら、眠りについた。


ー----------------


「こよなき幸せとは何だと思う?」

神様は、私の頬を撫でながら、幸せそうに語り始めた。

「平穏ですかね。人によって異なるものかと」

「そうね。色々なことが挙げられる気はするわ。

 一つ、愚者に近づかず、尊敬すべき人を尊敬すること。

 二つ、身に適ったところに住み、徳を積んで、誓願を持つこと。

 三つ、自制が出来、謙虚であり、正しい行動が出来ること。

 四つ、家族を大切に出来て、誠実に事に当たり、仕事も安穏であること。

 五つ、人を重んじて、足ることを知り、感謝出来ること。などなど」

道理ではあるが、一般的な観念であると思えた。

「この幸せとは、誰にとっての幸せなのですか?」

「さあ。でも、出家した修行者に出来ないことが幾つもあるわね。

 他にも。修行を実践して、四聖諦を極めることが幸福であると謡っているわ」

私は少し疑問に思って、神様に尋ねた。

「四聖諦って何ですか?」

「苦諦・集諦・滅諦・道諦、四つの真理よ。

 苦とは、この世は苦しみであるという事実。

 集とは、苦の原因は煩悩や執着から生じるという事実

 滅とは、煩悩や執着は滅することが出来るという事実

 道とは、滅の過程で、悟りの境地に向かうという事実。

 これらを見極め、世の中の些事に心を揺れ動かさないことも幸せらしいわ」

「……難しいですね」

「そうなのかもしれないわね。

 貴方にとっての幸せについて、たまには考えてみたらどうかしら?」

そう神様は言った。私は幸せとは何かと考えながら、眠りについた


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