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すったんぱったん  作者: ha
2/10

ダニヤとサイ

「持てる者はその物に執着して、そこに幸せの根源を感じるわ。

 捨てた者は持たぬことによって、その拘りから放たれるの」

神様は、自由の女神のように手を広げて、語り始めた。

「本当の幸せとは、拠り所を持たぬところから得る必要があるのかもしれないわ」

「でも何も持っていないホームレスって大変そうですよね」

「……そうね。ダニヤ君」

ダニヤではないが、私は何とも言えない気持ちになった。

「ただね。仕事、お金、恋人、家、友達、全ての執着から解き放たれたらどうかしら?

 そして。本当にホームレスがみんな不幸せとあなたは思えるのかしら?」

問われてみて。幸福とは主観であり、確かに私は自分が思い違いをしているように感じた。

「現代社会を生きる人間には難しいものですね」

「うん。だからまあ、貴方はほどほどに執着を捨てれば良いんじゃない?」

そう神様は言った。私は煩わしい人間を着信拒否して、そのまま寝た。


ー------------


「他人に依存しちゃダメよ。集団に甘えてはダメよ。欲に溺れちゃいけないわ」

神様は、サイの角を手で形作り、語り始めた。

「サイの角のように、たった一人で進みなさい。自分だけが自分を救うわ。

 そしておごることなく、高ぶることなく、精進していくべきね」

「一人というのはなかなか難しいですね」

「まあ同じ志を持つ、尊い人ととなら。共に道を歩んでも良いのでないかしら?」

一人じゃなくても良いものか?、とサイの一角を想像しながら思った。

「ただし。感情からも、愛着からも、妄想からも…執着からは逃れなさい。

 自分本位でなく、勇ましく美しい生き方をしましょうね」

そう神様は言った。私はネトゲのアカウントを削除して、そのまま寝た。


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