082:プライド
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―倉知ジム―
黒羽はWFCタイトルマッチに向けてトレーニングを積んでいた、しかし階級に少し無理があることから黒羽は減量に苦しんで食事もトマトなどだけだったのである。
(なんで、俺は苦しんでるんだ…………どうして、こんなに辛い事をしなくちゃいけはいんだ?)
黒羽は減量苦で自分を見失い始めていた、しかし部屋中に対戦相手のマルクの写真を貼っていた、その写真を睨んで目的を見失わない様に頑張っていたのである。
「もっとじゃ!! お主の底力は、こんなもんでは無いはずじゃ…………底力を見せてみい!!」
「くそがぁ!!」
倉知会長は黒羽に自分の目票を伝え続ける、その姿を見た圭吾は死に物狂いなんだと思って見ている、黒羽は走り込みやミット打ちなどを120%の力で行っている。
その姿を見たジムの人間たちは、自分たちにできる事はないかと思って動き始めていた、その姿を見て黒羽は勝たなくてはいけないと噛み締めてトレーニングを続ける。
(尊厳なんていらねぇ。名誉なんていらねぇ…………俺が俺の血統を証明してやる!!)
黒羽は自分自身に負けたくないという気持ちで、トレーニングを積んで計測の日がやって来る、そして黒羽は無事に体重をクリアして会見上に向かうのである。
―都内・会見上―
記者会見には黒羽と倉知会長が同席している、その反対にはWFCミドル級チャンピオンのマルクが座っている、記者会見の雰囲気はワクワクと緊張が交差している。
『それでは、質問をさせてもらいますが…………相手に持っているイメージは、ありますでしょうか?』
「That's right ………… He will surely be a strong champion.(そうだなぁ…………彼は確かに強いチャンピオンである事に変わり無いだろうね)」
『ほぉ。黒羽選手は、どんなイメージでしょうか?』
「俺か? 別に大したイメージなんて無いね…………明日になれば、ベルトは俺の腰に巻かれる事になるんだからね」
記者からの質問に対して2人は思っている事を言うが、マルクは黒羽を認めているが黒羽は挑発をする、それを通訳に訳して貰ってマルクはフッと鼻で笑うのである。
『今の発言に対して、チャンピオンは思う事はあります?』
「Let's apologize to everyone in Japan. I will defeat the undefeated hero(日本の皆さんに謝っておこう。無敗の英雄を、この自分が倒してしまう)」
「謝っておこうだって? そんなに俺に勝つ自信があるってのか…………アンタは明日、俺の前に膝をつけて王の姿を目撃する事になるだろうよ」
「Is this country making a dictator? But it's okay ………… At least tomorrow, I'll know which one is better(この国は独裁者を作っているのかい? でも良いさ………少なくとも明日になったら、どちらが上か分かる)
両者は互いに牽制し合う様に発言を行う、会場の記者たちは明日なんて言ってられないとばかりに、カメラを構えて2人の写真をひたすら撮りまくっているのである。
2人は互いの決着はリングで決めると分かっている、その為に乱闘騒ぎはないまま記者会見が終わる、倉知会長も暴れると思っていたので緊張が解けたのである。
「俺の前座は、和馬がやるんだよな? アイツなら客をしらけさせる事は無さそうだな…………」
「お前は自分の試合に集中しておれ!! 相手のマルクは、世界最強に近い男じゃ…………侮る事は許さんぞ!!」
「今の1位は日本人じゃねぇか。それならランキングとベルトの2つをもらおうじゃねぇか」
対戦相手の〈マルク=エイソン〉は、PFPで2位の位置にいる最強に近い男と言って良い、その為に倉知会長は集中する様に促しているが心配は無用だった。
―さいたまスーパーアリーナ・控え室―
黒羽は入り時間のギリギリにやって来て、控え室に入ると横になって眠ろうとしている、そんなのを見た倉知会長は顔面を殴って叩き起こすと着替えをさせるのである。
「なんだか、いつも通りの黒羽さんで安心しました…………黒羽さんって緊張とかはしたりしないんですか?」
「緊張だって? したら試合が有利になったりするのか?」
「いや。そう言うわけじゃないですけど…………緊張感ってのは必要なんじゃないですか?」
「緊張する奴なんてのは、三流以下の人間なんだよ…………俺の前に立つ人間を倒して、俺が上に上がるだけだ!!」
圭吾たちも控え室にやって来て挨拶を行う、そこで緊張していないのかと聞くが、黒羽は大物ぶりを圭吾たちに見せて才能の違いだと大笑いしているのである。
「とにかくだ。この試合が終われば、俺の腰には世界最高のベルトが巻かれる…………早く味わいたいぜ」
黒羽は自分がベルトを取る事を疑っておらず、自分がベルトを巻いてる姿だけを想像しているのである。




