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―両国国技館―
ヘイソンが2度目の後退を見て、敦也は前に出てみろと言う気持ちを込めてガードを下げて挑発する、それを見たヘイソンは下がれないと言う気持ちになり構え直し前に出る。
(そうだ!! コイツから逃げて、何がチャンピオンの器なんだ…………話にならねぇぞ!!)
(そうだよ。そうなんだよ…………俺たち格闘家は、意地でも前に進まねぇと街にいるチンピラと変わらない!!)
ヘイソンが近距離で打ち込めば、敦也は距離を取ってカウンターを的確に入れ込むのである、2人の試合が〈OPC最高の試合〉になると観客たちは理解する。
しかし2人の試合は、第3ラウンドに入って大きく差が出始めてしまった、ヘイソンは過小評価する事なく敦也を警戒していたが、まだまだ敦也の底が知れないのである。
(残り3分を耐えていれば、ダウンを取った俺の方が勝ちになるんだ…………3分間立っていれば良いんだ!!)
ヘイソンは3分間を逃げ切ろうと考えている、しかし敦也は簡単に逃げれる相手では無かった、敦也はジリジリとヘイソンに近寄ってジャブが当たる距離になったのである。
そして敦也は観客たちも驚くパンチを打ち込んだ、それはまさしく圭吾の〈閃光〉だったのである、ヘイソンの顔面に専攻が当たるとフラフラになってしまい追い討ちを喰らう。
(アイツの技をパクっちまった…………まぁ。何はともあれ、俺の前に倒れる事になる!!)
ヘイソンは後ろに尻餅を着くと、そのまま白目を剥いて背をマットに着けて気を失った、そしてゴングと同時に敦也の3階級制覇が成し遂げられる事になった。
―2日後・The Place is TOKYO―
12月20日に、東京の会場にて日本総合格闘技協会会長が招待状を送った人間のみのパーティーが行われた、そこには世界チャンプの黒羽と日本チャンプの圭吾も招待された。
(こんなところに来るのは、初めてなんだよなぁ…………それに高校生が来て良いもんなのか?)
「あれ? 君がライト級の圭吾くんだよね? この前の試合は痺れるところがあったなぁ…………また今度ね!!」
「あっはい!! あの人は確か、日本ミドル級チャンピオンの人だったよなぁ…………ほんとにチャンパだらけだな」
圭吾は大きなパーティーには初めて来るので、小学生レベルでガチガチに緊張しているのである、圭吾でも見た事ある様な人間ばっかり出席していた。
圭吾は1人で居るのは辛いので、黒羽を探して歩いていると後ろから襟を掴まれて強制的に動きを止められた、何かと思って振り返ってみるとボーイッシュな女の子が居た。
「喉が渇いたから飲み物を持って来て!!」
「は? なんで、俺が持って来なきゃダメなんだよ?」
「はぁ? ボーイだからでしょ…………って、もしかして招待された人? こんなガキが!?」
「それはこっちのセリフだろうが!! どう見たって、俺の方が年上だろうがよ!!」
「あれ? 灯ちゃんじゃない?」
女の子は圭吾の事をボーイだと思っていて、飲み物を持ってくる様に言うのであるが圭吾はブチギレて返す、女の子は圭吾と同じくらいか年下である事が見て分かる。
そんな女の子と圭吾が言い争いをしていると、2人の間に割って入る男の人がやって来たのである、圭吾は入って来た男の人のオーラを見て驚きを隠せずにいる。
「直樹さんじゃないですか!! 今日は参加しないと思っていたので、とても嬉しいですよ!!」
「そうだね。ん? そっちの人は…………おぉ。和馬くんの跡目のチャンピオン〈東 圭吾〉くんじゃないか!!」
「こ、このガキがチャンピオンですって!? まさか。じゃあ敦也くんを倒した人間なのね…………」
「直樹って、もしかして…………日本歴代最強のWFCチャンピオンの《井下 直樹》さんなんですか!?』
圭吾と女の子の喧嘩を止めたのは、日本歴代最強の異名を持ち世界からも死神の異名を持っている、現WFCウェルター級チャンピオン〈井下 直樹〉だったのである。
突然の日本史上最強の男に出会ったので、圭吾は驚きすぎて身動きが取れていないと、直樹の方が圭吾に気がついて強いよねと褒めてくれると女の子は選手なのかと驚いた。
「この女子は、直樹さんの知り合いなんですか?」
「あれ? 《穂村 灯》ちゃんっていうんだけど、結構話題になってるよ?」
「全然知らなかったです。この世界の事は、あまり詳しくないので知りませんでした…………」
「調べてみると良いよ。灯ちゃんは、双子の新星って言われてるくらいに強いからね…………灯ちゃんが、男だったら戦いたいくらいに素晴らしい格闘家だからね」
女の子の名前は〈穂村 灯〉と言って、双子の兄《穂村 海》と一緒に双子の新星として有名で、自分大好きの直樹ですらも戦いたいと言う選手である。




