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WFC〜チャンピオンへの道〜  作者: 湯崎 noa
第2章・東日本新人王トーナメント
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007:圭吾のデビュー戦

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―東京都・新宿FACE―


 遂に圭吾のプロデビュー戦の会場に到着する、前日の体重測定では何の問題もなくパスして会場にやって来た。


「昨日の対戦相手の顔を見よったか? あれは腹を括った人間の顔じゃった…………あの顔をする人間は皆強いぞ」


「問題ないです!! 調子に乗る事も浮き足立つ事も絶対にありません…………それは勝ってからします!!」


「ほぉ。小僧も覚悟はできているみたいだな…………よし。小僧にはデビュー戦を勝ってもらおうじゃないか!!」


 圭吾は調子に乗ってもおらずに、殺気を帯びて完全に闘争心丸出しでハイテンションなのである。

 それを見た倉知は圭吾に、デビュー戦を勝利で飾ってもらおうじゃないかと言って控室に入る。


「それと小僧に渡すモノがあるが…………これはファイトパンツじゃ!! 挑戦者の青と風格のある金にしておいたわ」


「凄いじゃないですか!? こんなカッコいいパンツをくれるんですか…………嬉しいですよ!!」


 倉知はデビュー祝いだとしてファイターがリングの上で履く、ファイトパンツをプレゼントしてあげるのである。

 それを見た圭吾はさらにやる気になって直ぐに着替える、それを着て汗が出るくらいのアップをすると、控え室に関係者の人が来て入場準備をして下さいと言うのである。


「よし!! ここからは逃げも隠れも出来ないぞ!!」


「分かってます!! 逃げも隠れもしませんよ…………真っ正面からぶつかってやります!!」


 倉智もテンションが上がっていて2人のボルテージは最大級に上がっていき、舞台袖に準備を行うのである。

 するとメインファイトでは無いので、客はまばらに座っている状態になってしまっている、しかし関係なく入場曲と共に圭吾はリングインをするのである。


『青コーナー!! 体重〈132ポンド〉身長〈5フィート3インチ〉…………倉知ジム所属。《東 圭吾》!!」


「よっしゃぁああああ!!!!!」


『赤コーナー!! 体重〈133ポンド〉身長〈5フィート8インチ〉…………大空拳闘会所属。《工藤 務》!!」


「お願いします…………」


 アナウンスがかかると圭吾の方は雄叫びを上げて、工藤の方は割と静かに挨拶を行っているのである。

 その姿を見た圭吾陣営の方は、やる気が燃え尽きたのではなくて静かにしてないと暴れ出すという意味だろうと考えているのである。


「奴は今では評価が低いが、それでも神童だった事には変わりないからな…………前に出てペースを掴むんじゃ!!」


「分かってます!! あの人にペースを握らせられたら、まずい事になるって感じがします…………」


「それが分かっていれば良い!! 必ず良い試合をして観客を沸かせるんじゃ…………そうすれば味方になってくれる」


 倉知は圭吾の口にマウスピースを嵌めて、リングの中央に送り出してあげるのであるが、その時に背中を手の跡が残るくらいに強く殴って喝を入れてあげた。

 それとは反対の工藤陣営は負けたら引退という、背水の陣で圭吾たちと試合を行おうとしているのである。


「奴は喧嘩上がりだと聞いている。しかし倉知さんが教えているからな…………何があるかは分からないぞ!!」


「父さん、分かってるよ。俺は負けるのなんて怖くないんだよ…………美玲も居て何が怖いと言うのさ」


「そこまで肝が据わっているのを見るのは、新人王トーナメント以来だな…………骨は拾ってやるさ」


「それでも新人に負けるつもりはないよ…………格闘技の奥深さってのを押してやるよ!!」


 2人はゴングと同時にグラブタッチをしてから、間合いを取る為に後ろに下がり試合がスタートするのである。

 2人は互いに調子を確かめる為に、リングの上をグルリグルリと2回も回って確かめるのである、そこから最初に仕掛けたのは工藤の方だった。


(うわっ!? これが元神童の蹴りなのか…………今でもキレッキレの蹴りの速さじゃないか!!)


 圭吾は工藤に中段蹴りを喰らいそうになったが、何とか後ろに身体を流して避けるのである、そこから体勢を見て工藤は右左のジャブストレートコンボを打ち込んでくる。

 それを圭吾はガードをして受けるしか出来ていない、それを見た倉知は前に出てガードばかりではダメだという、その声に反応した圭吾は真横に前中して攻撃の波を止める。


(そうだ。挑戦者の俺が、後手に回る事の大変さは黒羽さんからも習った…………それなら前に出るしかない!!)


(なにっ!? 踏み込む力が、新人ってレベルじゃないぞ)


 圭吾は工藤に向かって突進していく、工藤は間合いが詰まったところでストレートパンチを入れようとするが、圭吾の突進能力が思ったよりも高くて間合い内に入られてしまう。

 そこから圭吾は工藤が右腕を振り上げたのを見て、左拳を振り上げ腹に攻撃を行うとフェイントを入れる、それによって工藤のガードが顔の前から腹に変わってしまう。


(クソッ!? 腹はフェイントで、本当は肘を顔面に入れる事だったか…………これが新人かよ)


「貰った!!」


 圭吾は工藤のガラ空きの顔面に向かって、綺麗に左肘を入れて工藤を後ろに吹き飛ばすのである。

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