065:きっかけ
こちらのTwitterの、フォローもよろしくお願いします。
↓
https://mobile.twitter.com/yusaki_noa
―倉知ジム―
圭吾と黒羽のスパーリングが始まる、黒羽はニヤニヤしながら圭吾に近寄っていき左のジャブを当てる、するとガードをしているが圭吾の手に激痛が走るのである。
(これは!? これは和馬さんのジャブみたいな痛みと重さがあるぞ…………俺は学んでるんだ、これを受け続けた場合は手が上がらなくなってしまう!!)
圭吾は経験した事からジャブを貰い過ぎると動けなくなってしまうと考えて、足を動かし黒羽から距離をとって試合を進め始めて行くのである。
そして圭吾は〈閃光〉と名付けられた、高速の右ストレートを打ち込んで黒羽にガードをさせる、そして懐に侵入するとボディにパンチを打ち込んだが圭吾は驚愕する。
(この腹筋は何なんだ!? 俺が殴ったのは、鋼鉄か何かだったっけ…………ヤバい!?)
圭吾は黒羽の腹筋の硬さに驚いてしまった、そして黒羽は圭吾が動きを止めたのを見て渾身のフックを打ち込む、すると圭吾の身体が浮き上がってしまった。
そして圭吾が着地した瞬間に、黒羽は見抜いている圭吾の弱点であるローキックで脛を狙って打ち込む、それによって圭吾は後ろに下がってしまい猛打を喰らってしまう。
(こんなパンチを喰らってたら、身体が沢山あっても足りたもんじゃ無い…………とにかく逃げるか!!)
「逃げれると思ってんのか? そんなフットワークで、逃げれるほど世界は優しくねぇぞ!!」
圭吾の事をラッシュで黒羽は追い詰めて行く、圭吾も逃げようと動くが生半可のフットワークでは逃げきれない、そこで圭吾は真横に転がって黒羽のラッシュを逃れる。
そして立ち上がると黒羽と向かい合って、階級差があるので攻撃を貰うのは危険という事で、圭吾は閃光を使って目眩しからの中段蹴りでボディにダメージを与えていく。
「そんなもんで、世界チャンプが倒れると思ってんのか?」
「黒羽さんは、芯が強すぎるんですよ…………ライト級の人間には、ちょっと荷が重すぎますよ!!」
「お前が、まともに戦えるって言ったんじゃねぇか。こんなもんで、終わるってんなら日本チャンプは無理だな!!」
圭吾は黒羽に挑発されて少しスイッチを入れて、構えると閃光からのボディフックを打ち込む、すると黒羽も反撃を入れて来るが圭吾は見切って避けて距離を取る。
圭吾は黒羽に押されたままでは癪なので、黒羽に泡を吹かせてやろうと考えて密かに鍛えていた技を使おうとする、それは黒羽が圭吾の間合いに入ったら使える技である。
(このタイミングじゃ無い…………もっと近寄らせないとダメだ!!)
圭吾は黒羽が間合いに入るのをジッとして耐える、そして間合いに入った瞬間に右ストレートの閃光を打ち込む、黒羽がガードした瞬間にハイキックを打ち込む。
そのハイキックは普通のハイキックとは、遥かに速度が異なって言わば〈閃光ハイキック〉と言えるレベルだった、それを喰らった黒羽は流石に蹌踉めいたが耐えた。
「はい。俺の勝ち!!」
黒羽は耐えた後にニヤッと笑ってから圭吾を殴り飛ばして完全にKOさせてしまった、この時点で倉知会長がストップをかけてスパーリングは終了するのである。
圭吾がスパーリングを終えてリングを降りると、セコンドに立ってくれている〈田中〉さんがやって来て、圭吾の婆ちゃんが倒れたと伝えられる、圭吾は走って病院に向かった。
「婆ちゃん!? 起きてて大丈夫なのかよ!?」
「何を言ってんだい。仕事中に少し貧血になっただけの事じゃ無いか…………何を皆んなで、大袈裟にしてるんだよ」
「大袈裟じゃねぇよ!! これが車道とかに飛び出さなくて良かったよ…………医者の言う事は聞けよ!!」
圭吾が病院に向かうとベッドの上で蜜柑を食べていた、見た目的には元気そうだったので圭吾は安心して全身の力が抜ける、婆ちゃんは大袈裟なんだと圭吾たちに言うのである。
圭吾は医者の言う事を聞いて、確実に治ってから退院する様に釘を刺して家に荷物を取りに帰る、圭吾は心配していた為に疲れがやって来て荷物を届けてから直ぐに眠った。
―神奈川県・鎌倉―
真理は昔からの友達と屋台で、酒を飲みながら昔話を行っていたのであるが、真理が今の性格に至った要因とも言える様な事件についての話をし始めるのである。
「お前が変わったのは、虐められてからだよな? あの時の顔は、今でも忘れねぇよ…………震えちまうからな」
「そんなに怖かったのか? あの時がなければ、今も弱い人生を送っていたかもなぁ…………」
真理は中学生時代に虐められており苦しい日々を送っていたが、限界が来た日に真理は虐めの主犯格を素手で半殺しにする事に成功した、この日から真理は変わっていった。
そして笑顔で暴力を振るっていき、相手をボコボコにして行く事から真理は周りに〈暴力プリンス〉と呼ばれた。




