061:再起戦が始まる
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―倉知ジム―
圭吾とノースのスパーリングが終了する、圭吾はノースに大丈夫かと声をかけに行くと、ノースは立ち上がって圭吾の手を無理矢理取って握手をするのである。
「是非とも、連絡先を交換して下さい!! 君の事をライバルだと周りに言っても良いでしょうか!!」
「え? 別に2つとも良いけど…………それよりもノースって、ロシアではチャンピオンなの?」
「僕ですか? そんな訳ないですよ…………自分なんて、まだまだ修行の身なんで!!」
圭吾はノースと意気投合して公認のライバルになり、スマホの連絡先を交換して友達になった、そしてノースは倉知ジムを後にすると圭吾はシャワーを浴びに行く。
そしてノースに与えられた弱点を次の日から、倉知会長と共にトレーニングを行うが練習の厳しさは増す、それによって建は着いていけなくなってしまうのである。
「小僧の相手は、このスポーツを舐めておる…………そんな人間に負けるという事は、小僧に負けた人間を否定されると言うことになるからな!!」
「分かっていますとも、絶対に負けません!! 自分が格闘技の素晴らしさを、この試合で見せつけます…………自分と戦った人たちは、その素晴らしさを教えてくれましたから」
「そのいきじゃ!! 小僧は、試合に勝ってチャンピオンへのロードを歩くんじゃぞ!!」
圭吾と倉知会長は灰谷に負けるような事があれば、自分が負かしてきた人間を否定する事になるという認識があり、負けるわけにはいかないと圭吾と倉知会長は思っている。
―8月・後楽園ホール―
圭吾の再起戦の日がやって来て、観客たちもタイトルマッチの余韻があるので楽しみで入場して行く、一方で圭吾は控え室でアップをしているのであるが建が挨拶にやって来る。
「楽しみにしているので、絶対に勝って下さいね!! 自分は観客席から念を送っているので!!」
「念を送られるのは、少しやりずらいけど…………建の気持ちは伝わったから、絶対に勝ってくるよ!!」
建の応援メッセージで圭吾は力が抜けて、緊張感が良い意味で緩和されて調子が上がる、そしてセミファイナルの試合が終わったので圭吾のメイン試合が始まろうとする。
『これより〈メイン〉の試合を行いたいと思います…………選手入場!!』
『青コーナー!! 体重〈134ポンド〉戦績〈8戦7勝1敗〉GJFライト級5位…………〈倉知ジム所属:東 圭吾〉!!』
『赤コーナー!! 体重〈133ポンド〉戦績〈13戦12勝1敗〉GJFライト級3位…………〈明智ジム所属:灰谷 馨〉!!』
両者はコールと共に入場するのであるが、圭吾の方は鬼の様な形相をしている中で、灰谷の方は余裕そうな笑顔で観客たちに挨拶をして意気揚々とリングの上に上がる。
そして2人は中央に集まってレフェリーからの諸注意を受けるのであるが、その際に灰谷はニヤッと笑った顔で圭吾に対して挑発の様な言葉を浴びせて来る。
「お前が何をして来ようが、俺とのレベル差は遥かに違うんだよ…………俺にパンチを1度でも当てられたら、お前の事を少しだけ見直してやるからよ」
「別に何だって良いですよ。俺はアンタを、このリングのマットに沈めるだけなので…………さっさと始めましょうか」
「弱い人間が、良くも言えるもんだよなぁ…………まぁ。試合が始まってみれば、どっちが上かは分かるところだな」
圭吾は挑発に冷静に答えながらも言い返した、しかし圭吾の態度を見て気に入らないと言った顔を灰谷はする、両者はコーナーに戻って行くが灰谷のトレーナーは注意する。
「圭吾は確実に絶好調だぞ!! 舐めてかかると、お前でも簡単にKOされるのが目に見えている!!」
「何を弱気になってんすか。俺は最強なんですよ…………次の王座決定戦で、俺が日本チャンプになってやりますよ」
灰谷はトレーナーに圭吾が絶好調だと聞かされたが、自分の方が上だから問題ないと話を聞かない、それどころか今日の試合に興味は無いと嘲笑っているのである。
そして両者の想いが入り混じる中で、ゴングが鳴って圭吾の再起戦がスタートするのである、灰谷は左肩を完全に圭吾の方に見せると言った構え方をしている。
(これが例の特殊な構え方って奴なんだな…………この特殊な構え方に、何人もの人がやられていると言うんだ)
(こんなガキに、このスタイルをやるのは勿体ない様な気がするが…………力の差ってのを教えてやらねぇとな!!)
灰谷は特殊な構え方の上に左腕をダラッと下げる、ヒットマンスタイルを要しているので、圭吾が近寄った瞬間にヌルッと左のジャブが飛んできたのである。
しかし圭吾は警戒していたので、左のジャブを避けると右側に移動して簡単に灰谷の背後に回る、そして膝裏にローキックを入れてから体勢を崩したところに顔面を殴り飛ばす。




