055:新人くん
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―東京都・倉知ジム―
黒羽が世界ベルトを手に入れてから、1日が経つと記者たちが倉知ジムに押しかけており、圭吾は世界チャンピオンになると大騒ぎになるんだと感じて憧れている。
「俺も早く世界ベルトを巻きたいなぁ…………あんな風にチヤホヤされるんだなぁ」
「小僧は、とにかく再起戦を勝つんじゃ!! それは、そうと小僧に紹介する人間がおるわい…………挨拶せい!!」
「こ、こんにちわ!!」
世界チャンピオンに憧れている圭吾をみて、倉知会長は再起戦を視野に入れてトレーニングする様に指摘する、それを聞いた圭吾は少しシュンッとする。
そんな圭吾に倉知会長は紹介する人間がいるという、入り口から入って来たのは高校1年生の少年だった、圭吾を目の前にして緊張している様にソワソワしているのである。
「自分は、東先輩に憧れて倉知ジムを選びまして!! 名前は《那須岳 建》と言います!!」
「元々は違うジムに居ったが、プロ入りをしてから倉知ジムに移籍して来たんじゃ…………小僧のタイトルマッチを、目の当たりにしてから心が変わったらしいぞ」
「あんなに燃えがあるような試合は、初めて見たので憧れました…………自分もライト級なので、尚更に憧れます!!」
圭吾の試合を見てから憧れて、ジムを変えて移籍して来たと倉知会長が言うと試合を見て憧れたという、圭吾は悪いような感じをしないで握手をして挨拶を済ませる。
「それじゃあ、2人でロードワークに行って来い…………終わったら、2人でスパーリングをしてもらう」
圭吾は先輩としてロードワークを先行する、それを憧れの視線で建が走って追いかけていくのである、そして圭吾は健に格闘技を始めた理由が気になったので聞く。
「自分の家は貧乏だったんで、他のスポーツで道具を揃えるのが難しかったんです…………ですけど、自分が格闘技に向いていると喧嘩をして解りまして」
「それなら自分の拳を使って金を稼ごうと? それは、凄い人生なんだな…………俺とは少し違うな」
「東先輩は不良だったのを、倉知会長にスカウトされたんですよね? 倉知会長にスカウトされるなんて憧れですよ」
「そんなかっこいいもんじゃ無いさ…………当時の俺には、喧嘩以外に自分を誇示するモノが無かった」
建は圭吾の過去についての話を振ると、圭吾は当時の自分をクズだと言って暗い顔をした、それを見た建は聞いちゃいけない事を聞いてしまったかと謝った。
「別に謝る事じゃないよ。確かに過去は変えられないけど、今の自分は大好きだからね…………だからこそ、世界チャンピオンになって、頂の景色を見たいんだよ」
「そうですよね。僕は東先輩の理由と比べれば、意地汚いように感じてしまいますよね…………」
「そんな事は無いさ。家族を養うというのは、簡単な事じゃ無いからね…………家族の為に、働き生き甲斐を感じる事こそが働いている意味なんじゃ無いかな?」
圭吾と建は自分たちの過去を果たしながら、ロードワークを行って1時間が経ったくらいにジムに戻った、倉知会長はリングに上がってスパーリングをする様に指示を出した。
「いきなり憧れの人と、スパーリングをやれるなんて光栄以外にありませんよ…………胸を借りますね!!」
「こっちこそ力不足ではあると思うけど、全力で相手をさせてもらう…………始めようか!!」
倉知会長がゴングを鳴らすと、2人は中央でグータッチをしてから構えて試合を始めていく、最初に手を出したのは建の方でローキックで圭吾を牽制していく。
それに対して圭吾は避ける事なく脛で受けてから、上半身に対して右ストレートを打ってカウンターを入れた。
(さすがは、東先輩だ…………ローキックでは、逆に隙を生んでしまうのか? 上でタイミングを、作ってからだな)
(ローキック強いな!? リズムを作らせたら、後輩といえども負けるかもしれない…………前に出てやるか!!)
圭吾はローキックを喰らってみてリズムを造られたらまずいと思い前に出ていく、姿勢を低くして身体を揺らしている圭吾を狙うのは至難の業になっているのである。
圭吾は懐に飛び込むとボディを2発入れてから、建の顎に向かってアッパーを打ち込むが、ギリギリで建は避けた、
(こんなの喰らったら、1発で寝んねだ!? 懐に飛び込ませたら、確実にリズムが狂う…………)
建は距離を取って間合いに入って来させないようにした、しかし圭吾の方も〈カンガルースタイル亜種〉にして、アウトボクサーの様に距離を取ってリズムを刻む。
(これだ、この人の怖いところ…………別のファイターとやっている様な感覚になるんだ!!)
(さてと、俺の中では第2ラウンドだ…………ギアを上げて相手になってもらおうかな!!)
圭吾は上から目線で言うのではなくて、自分も常にチャレンジャーだという気持ちで建とスパーリングをする。




