005:始まりの時
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―埼玉県・さいたまスーパーアリーナ―
圭吾は総合格闘技のプロテストを受ける為に、さいたまスーパーアリーナにやって来て居た、そして圭吾はオープンフィンガーグローブを付けて準備をしている。
「それじゃあ。この班のルールについて話を行うけど、準備は大丈夫だよね? ルールは普通の総合格闘技と同じなんだけど、ラウンドは3分1ラウンドでやりますのでね」
(3分を1回しかやらないのか…………それなら直ぐに決着をつけないとダメって事だな)
このプロテストでは3分のラウンドを、1回だけで勝ち負けに関係なくテストが行われるのである。
その為に3分で実力を出すという、プロ向けの才能が求められて居て圭吾は、その才能を理解しているのである。
「おっ。圭吾が出て来やがったな…………良い顔をしてんじゃねぇかよ」
「あの子が、黒羽くんの後輩かい? 筋肉量も素晴らしいけど、意外と緊張してるんじゃないのかい?」
「アイツは緊張してるくらいがちょうど良い…………このライト級は海外にも出れる階級だからな」
「つまりは、彼が将来海外に出ると言うんだね? それは楽しみな事だ…………君とセットでね」
圭吾は会場に入場するとシャドーを静かに行って、自分の闘争心と対話をしながら順番を待っているのである。
「それじゃあ。20番と21番の人…………リングの上に上がって下さい!!」
「はい!!」
遂に圭吾の版にやって来たのであるが、明らかに緊張しまくっている表情をしている。
その表情を見て対戦相手の人間は、大した事なさそうだと緊張感が無く余裕そうな雰囲気を出しているのである。
「これは勝敗が関係ないからね!! 君たちのジムで学んだ事を全力で出す様に…………よし。始めようか!!」
(こんな緊張している奴に負けるわけがねぇよ…………これで、俺もプロ入りするって事だな!!)
レフェリーの開始の合図と共に、対戦相手の男は圭吾に向かって突進して飛び蹴りをかまそうとするのである。
しかし目の前から圭吾が消えて、周りをキョロキョロしてみると背後に回られて居たのである。
(チッ。ちょっと大振りになっちまった…………こんな奴に避けられるなんて、確実にKOさせてやるよ!!)
(コイツの速度は、黒羽さんよりも遥かに遅い…………これなら熊の構えを使わなくても良いか?)
圭吾は対戦相手を格下だと思って〈獣スタイル〉を使わなくても良いかと考えるのであるが、ジムの方針を思い出して熊の構えを行い始めたのである。
(俺の攻撃に警戒してガードを固めて来たのか…………そんな亀みたいな奴を仕留めきれないと思ってんのか!!)
「やっと不用意な1歩を出して来たな!!」
対戦相手が踏み込んだ瞬間に圭吾は動き出す、そして対戦相手の脛にローキックを入れてから、顔面が下がった瞬間にアッパーを入れ対戦相手を1回転させたのである。
「ストップ、ストップ!! TKOだ!!」
「よっしゃぁぁぁぁ!!!!!」
レフェリーは急いで割って入り両手を交差させて、ゴング担当の人に合図を出し試合を終了させるのである。
圭吾はガッツポーズをして喜ぶのと、周りの練習生たちは衝撃的なモノを見てザワザワもしないで静まり返る。
「おいおい。黒羽くんの後輩ってのもパワーバカになる感じなんだ…………」
「誰がパワーバカだ!! アイツのパンチ力は、確かにあるが上には上がいるからな…………まだまだ、これからだよ」
服部は目の前で起きた光景に驚いていると、黒羽の時と重なる様なところがあると質問の様に聞いてみると、黒羽は自分の時と同じにするなと言って立ち上がり帰るのである。
―1週間後・東京都・亀有・倉知ジム―
いつものようにジムでサンドバッグを殴っていると倉知会長がやって来たのである、圭吾は遠くから挨拶すると走ってくる様に言って集合させるのである。
「この前のテストの結果じゃが…………合格じゃ!!」
「よ、よっしゃぁあああああ!!!!!」
「そんなに喜ぶな!! このテストは受かるのが前提なんじゃよ…………受かってからが大切なんじゃからな!!」
圭吾はテストの合格発表を聞いてガッツポーズをして喜んでいると、倉知会長は受かってからが大変なんだと絶叫をするのであるが肩をポンッと叩いて労うのである。
「これからは、2週間後から始まる…………東日本新人王トーナメントにエントリーするぞ!!」
「新人王トーナメントですか? それって優勝した場合は、どんな事があるんでしょうかね?」
「新人王戦に勝てば〈SJL〉で、10位に入る…………つまりはランカーになれるって事なんじゃよ」
新人王戦で優勝した場合〈GJF〉の下部組織〈SJL〉で日本ランカーになれるという特典があるというのである。
なので新人王戦で優勝したら、これからの総合格闘技での待遇が変わってくるといえるのである。