049:世代代表
46話を飛ばして、47話を先に投稿してしまいました!!
誠に申し訳ありません!!
先に46話をご覧になって下さい!!
―大阪・大阪ジム―
圭吾と敦也のスパーリングは一進一退の攻防が続いて、第5ラウンドまで行ったが決着が着かなかった。
「決着はつけられなかったが、判定に言っていれば確実に、俺が勝ってたからな」
「いやいや!! 完全にポイント的には、俺の方が上で、俺の勝ちだって!!」
2人は判定に関しての言い合いになると、穂花が圭吾の背中を押してジムを後にしようとするのである。
すると圭吾は扉を掴んで押されるのを止めると、振り返って敦也の調子を最後に確認を行うのである。
「調子は悪そうじゃねぇよな? それなら明日は、確実にチャンピオンになってくれや…………俺らの世代が舐められない様にな!!」
「分かってるわ!! こちとら、お前に負けた事が昨日の様に覚えてんだ…………チャンプになってやるよ!!」
圭吾はニシシッと笑ってからホテルに戻って行き、敦也も変わった人間だと笑いながらシャドーを行うのである。
―大阪城ホール―
遂にOPCライト級タイトルマッチが始まる、試合会場には圭吾たちの他にも、南野や金光などの〈圭吾世代〉の人間たちが多く見にやって来て注目度は高いのである。
「良いか、相手は立ち上がりから向かって来るぞ!! 間合いを取りながらカウンターを狙うだ!!」
「了解です。何の問題もありません…………試合が終わればチャンプになっているのは自分ですから」
控え室での最後の確認を終えると、敦也は手を叩きながら廊下を歩いて行き、名前を呼ばれるのを待つのである。
『これより〈OPCライト級タイトルマッチ〉を執り行いたいと思います…………選手入場!!』
『青コーナー!! 体重〈134ポンド〉戦績〈12戦11勝1敗〉…………京都ジム所属。〈西郷 敦也〉!!』
『赤コーナー!! 体重〈134ポンド〉戦績〈19戦15勝4敗〉…………ポンチャイジム所属。〈アンドレイ=グラシア〉!!』
両者は入場して来るのであるが、日本という事もあって敦也の方がアンドレイよりも歓声が多く集まっている。
アンドレイの体の仕上がりは、敦也に引けを取らないレベルで仕上がっており、敦也は簡単には勝たせてもらえないだろうなと思いながらレフェリーの諸注意を受ける。
(ん? 飛び出しては来ないのか…………それなら、こっちから少し手を出してみるかな)
ゴングが鳴ると敦也は向かって来ると思って身構えるが、アンドレイは構えたまま突撃して来ない、それに見かねた敦也は自分の方からジャブを打っていくのである。
(ジャパニーズは、せっかちな人間が多い…………それに、耐久力だってジャパニーズは話にならない!!)
(なに!? 前から詰めて来る人間が、俺に対してカウンターを打って来るだと…………作戦通りには行かないな)
アンドレイは敦也のジャブに対して、カウンターを入れて来る様な攻撃パターンをして来る、それに対して敦也は作戦通りには行かないと感じて距離を取るのである。
(ジャパニーズとは言えど、さすがにタイトルマッチをやる人間は無防備にはならないか…………)
(コイツと真っ向からぶつかるのも良いが、それは今回の課題じゃ無いからな…………無理に打ちに行く必要はねぇ)
距離を取られるとアンドレイとしては近寄る必要があり、ゆっくりと近寄りながら丁寧にジャブを当てていく、それに対して敦也はカウンターを狙いながら脛を蹴っている。
(そんな小さな攻撃を集めても、何の意味も無いって事を教えてやるか…………これが、俺とジャパニーズの違いだ)
小さい攻撃を積み重ねていく敦也に対して、アンドレイは1発を狙いながらパンチや蹴りを入れていく、アンドレイは時に両手を下げて敦也を煽る様なダンスを踊っている。
(このやり方に、イライラしていたら世界に出た時に問題外になっちまう…………俺のペースを崩すな!!)
敦也は相手の挑発にも反応する事なく、大振りの攻撃に対してカウンターを入れてアンドレイを後退させる。
「良いの持ってんじゃねぇか!! 前から当たって、楽しもうじゃねぇかよ!!」
「うっせぇな!! 口だけの人間は黙ってろや!!」
アンドレイは前から当たって来いと煽るが、敦也はアンドレイを口だけの人間だと言って断るのである。
「ワァーオ!! 日本人は温厚な人が多いと聞いたが、こればっかりは…………痛!?」
アンドレイは敦也が挑発に乗ってこないのを見て、両手を広げて連れない人間だと頭を左右に振っていると、敦也は隙をついてアンドレイの顔面にワンツーを入れるのである。
鼻と口から血が出始めた、アンドレイは鬼の形相で敦也の事を睨むのであるが、敦也はビビる事は無いのである。
「やってくれたな!! 久しぶりに試合で、こんなに怒ったぞ…………謝っても殺してやる!!」
「まだ、そんな口を聞けるなんて良いな…………それなら泣かしてもらおうじゃねぇか!!」
敦也とアンドレイの本気の試合は、ここからがスタートなんだと試合を見ている人間は思ったのである。




