048:過去の強敵
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―足立西高校―
圭吾は3年生になって学校に通っているのであるが、圭吾は欠伸をして学校で寝ていると、スマホが鳴って〈敦也〉から電話がかかって来て圭吾は屋上にいくのである。
「な、なんだよ? 敦也から電話して来るなんて、珍しいじゃねぇかよ…………話なら短めにしてくれよ?」
『俺のOPCタイトルマッチの試合チケットを用意しているんだが…………見に来る気はあるか? あるのなら、お前に俺の実力を見せてやるからな』
「金なら払うぞ、本当にタダで良いんだな? しかしタイトルマッチまでやっているとはな…………楽しみにしてるよ」
敦也が電話して来た理由とは、自分のOPCタイトルマッチが決まったから観に来いと言う事だったのである。
圭吾はチケットも用意されていると言う事で、観に行くのも悪く無いと思って大阪に観にいく事にしたのである。
「何処に行ってたんですか?」
「敦也って奴から試合を観に来いって言われたんだよ………大阪なんだけど、穂花さんも見に行くかい?」
「言って良いんですか!? 見に行けるのなら行きたいですし、圭吾くんと旅行が楽しみです…………」
「アイツに頼んで2枚に増やして貰うとするかな」
圭吾は大阪に1人で行くのは不安なところもあったので、穂花も連れて旅行ついでに行く事に決めたのである。
―4月・大阪―
圭吾は穂花を連れて大阪にやって来た、大阪に来たからには敦也に挨拶してやろうと曲がりしているジムに向かう。
そこは京都ジムとの系列ジムで、中では敦也がスパーリングをしているが相手はヘロヘロになって倒れ込むのである。
「やっぱり、敦也のカウンターは強烈なんだよなぁ…………俺も危なく負けるところだったしな」
「彼女連れで見て来るとはな…………ここに来たのは、挨拶に来たんだろうが、リングに上がれよ!!」
「ちょ、ちょっと待てや!! さすがに、相手側のトレーナーと話さないといかんよ…………」
圭吾が敦也の仕上がりを褒めると、敦也は圭吾にリングに上がって自分とスパーリングをしろと言うのである。
敦也のトレーナーはダメだと止めるのであるが、圭吾も上着を脱いで完全にやる気になっている為に止められない。
「圭吾くん!! さすがに骨折してから、時期が早すぎるんじゃ無いかなぁ…………まだ早いって!!」
「遅かれ早かれスパーリングはしないとダメだ…………こんなに強い人間と出来るのならば、最高じゃ無いか」
「わかったよ。私から倉知会長に伝えておく…………その代わりに、私の指示には従ってもらうぞ」
「了解しました!! 久しぶりとは言っても、タイトルマッチから1ヶ月くらいしか経ってないけどな…………久しぶり過ぎて、ワクワクが止まらないんだけど!!」
トレーナーも自分から倉知会長に伝えておくと言って、2人のスパーリングを認める事になるのであるが、危険と判断して止めた場合は指示に従う様にいう。
圭吾はジムの人からオープンフィンガーグローブとヘッドギアを借りるのであるが、全日本新人王戦の再試合だとジムの新人たちはワクワクして見ている。
(兄貴をテイクダウンさせたっていう、実力を見せてもらおうじゃねぇか…………)
(久しぶりで、緊張はしているけど…………最初から本気で相手になってやるよ!!)
グラブタッチをしてから試合が始まる、圭吾は最初からマックスの〈カンガルースタイル亜種〉を繰り出すのである。
(これが兄貴をダウンさせたって言う奴だな…………最初から出して来るとは、お前らしいな!!)
圭吾のステップに対して敦也は、グッと地面に根を張る感じで圭吾の事を追いかける、左ジャブを打ち込んで様子を見てみるのであるが、鋭いカウンターが飛んでくる。
それを顔面に喰らいながらもダメージは少ない、手応えはあったが圭吾の平気な様子を見て、敦也は前に出ていく。
(コイツの耐久力は異常だと思い知らされたからな…………隙を見せた瞬間にKOさせてやるよ!!)
(スパーリングとは言えど、負けるわけにはいかねぇからスピードを上げていくか…………)
圭吾は速度を上げないと捕まると思って、スピードを上げながらワンツーを入れて攻撃をしていくのである。
敦也はガードをする事が、精一杯でカウンターを入れる暇が無く、こちらも動くかと敦也は考えている。
(こっちからも攻め込まないと、面倒な事になりそうだ)
敦也はステップを踏みながら圭吾に近寄っていき、ローキックから右のストレートを打ち込んでいく。
圭吾はガードは間に合ったが、腕が吹き飛んで後ろに下がろうとするが、敦也のジャブを顔面に喰らって眼を瞑ってしまう、そこにストレートを打ち込んで倒そうとする。
「完全に入ったと思ったが、ギリギリで避けれるのか………これは今度の対戦相手よりも手間取りそうだな」
「こっちも全身全霊だからな…………さぁ。こんなもんで、ベルト取れると思ってんのか!!」
圭吾と敦也は心の内では、互いに認めているのでスパーリング中にも関わらずに笑顔で行っているのである。




