034:息抜きと追い込み
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―東京都・渋谷区―
圭吾は試合が終わってから3日後に、渋谷区の映画館の前に正装を着て立っていると、圭吾の顔はそこそこ良いので女子たちが通りすがりに顔をチラチラ見ているのである。
「張り切って30分前に来ちゃったけど…………こんなに早く来るもんじゃ無いのか?」
「あ!! 東くん、遅れちゃってゴメンね!!」
「あ、穂花さん!! 別に遅刻してないから、それに俺も来たばっかりだし…………それで、今日は何の映画見るの? この前の試合での賞金があるから奢るよ!!」
「そ、そんな悪いですよ!!」
圭吾は賞金も入った事でデート代は全て出すというが、対等な関係で居たいからと言って財布を出して息巻いている。
2人は映画館に入ってから恋愛映画を見ていると、圭吾は緊張し過ぎて集中できておらず、隣の穂花を見てみるとハンカチを片手に涙を流していたのである。
(たまには、こんな穏やかなのも良いかもなぁ…………)
そんな風に思っていると映画が終わって昼飯を食べる為にオシャレなカフェに入るのであるが、圭吾はオシャレなところに入った事が無いので緊張してしまっている。
「こんなオシャレなところに入ったの初めてだよ…………」
「ふふふ。東くんって昔から変わらないよね…………ねぇ。覚えてるかな? 小学生の時に、年上の人から助けてくれた事…………」
「ん? 年上の人から助けた事…………あ!! それなら覚えてますよ。中学生でしたっけ? 3人くらいに絡まれていたんじゃ無いでしたっけ?」
「そうです、そうです!! 覚えててくれたんですね………あの時から、東くんを知ってるんだよ」
2人はご飯を食べながら思い出話をしている、しかも2人が初めて出会った頃の話を盛り上がりながらしている。
そんな風に楽しんでいるとカフェのガラスに、黒羽が張り付いていて2人はビックリしているのである。
「勝った人間は気軽で良いよなぁ…………俺は、これから世界前哨戦があるって言うのによぉ〜」
「世界前哨戦が決まったんですか!? 今はロードワーク中なんですね…………」
「そんな先輩が頑張ってるところに、お前と来たら女を侍らせてるなんてよぉ…………落ちぶれたんじゃ無いのか?」
「東くんを悪い様に言わないで下さい!! この人を誘ったのは自分なんで、言うなら自分に言って下さい!!」
黒羽が圭吾を馬鹿にする様な事を言っていると、穂花が中間に入って誘ったのは自分だと言って震えながら反論する。
それを見た黒羽はニヤッと笑って、自分がわざと試す様な事を言って悪かったと穂花に謝るのである。
「ファイターの近くにいる女は、これくらいに強く無いとダメだからな…………コイツは馬鹿で弱虫だが、近くにいて支えてやってくれや」
黒羽は穂花を試していたのであるが、強い反応を見せてくれたので圭吾を任せると言ってトレーニングに戻る。
圭吾は穂花に黒羽は、口は悪いけど人としては勉強になる人だと言って話すと、穂花も黒羽の事を理解するのである。
―東京都・倉知ジム―
世界前哨戦が決まったと言う事で、黒羽は調子の良いペースでトレーニングを積めているのである。
「黒羽さん。世界戦が決まったからって、身体を絞りすぎなんじゃないのか…………試合前に倒れないか?」
「そんな事は無いだろう。あの人は、昔から無理な体重制限しても死なない人だからな…………まぁ。何があるかは分かりはしないけどな」
黒羽は身体を絞りまくって周りからは危険だと言われるレベルまで自分の事を追い込んでいるのである。
そこに前日のデートを終えた圭吾がやって来て、ドクターの診断を伝えてからトレーニングを始めるのである。
「デートは良いのか? こんなに早く、こっちの世界に戻って来たら辛いんじゃ無いか…………」
「そんな事は無いっすよ。次の試合は、GJFとの入れ替え戦ですからね…………負けられないっすよ!!」
「そんなに、やる気になるって事は…………前の試合は、相当な収穫があったって事なんだろ? 俺の試合を見て、世界の壁ってのを勉強してみろよ」
黒羽が圭吾のところにやって来て、この前の試合での手応えの良さを感じたので、自分の世界戦を見て世界とは何かを勉強すれば良いさと言ってトレーニングを再開する。
圭吾はヘロヘロな黒羽を見て、調子が良いんだろうなとボソッと言うと加藤たちが正気かと言う、しかし圭吾から見れば失敗している様に見えて野獣が体に居るという。
(もっとだ!! もっと追い込んでも良い…………ストレスを溜め込んで溜め込んで…………相手にぶつけるんだ)
ひたすらに試合までストレスを溜め込んで、のストレスを世界戦の対戦相手にぶつけてやると意気込んでいる。
その状況を圭吾は話さなくても分かると言うと、加藤たちは天才の考える事は、全くもって分からないという。




