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WFC〜チャンピオンへの道〜  作者: 湯崎 noa
第1章・プロ入団テスト
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003:覚悟の問題

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―東京都・亀有・倉知ジム―


 リングの上で気絶をしてしまった圭吾に対して、倉知はバケツに入った水をぶっかけて叩き起こすのである。


「やっと目を覚ましおったか…………どうじゃった? これが喧嘩と格闘技の違いじゃよ」


「おい、ジジイ…………楽しいな!! これが総合格闘技って奴なのか!!」


「そうか。楽しかったか…………しかし。奴の様にチャンピオンになるには過程があるんじゃよ」


 チャンピオンになるには、プロテストを受けて合格してから〈GJF〉の下部組織の〈SJL〉というリーグに入る。

 そのSJLで1位になると入れ替え戦を行う、それに勝つ事でGJFに入る事が出来るのである。


「明日から直ぐに、毎日トレーニングするから両親に許可書に判子をもらって来い…………そうすれば、正式に倉知ジムの人間になる事が出来るぞ!!」


「解ったよ!!」


 圭吾は倉知から許可書を貰ったのである、その許可書に判子をもらうべく圭吾は走って家に帰る。

 圭吾が家に着くと若い男の人と女の人の仏壇に手を合わせてから、ヨボヨボの婆ちゃんに許可書を見せるのである。


「なんじゃ、これは? もしかして、変な宗教に入るんじゃないんだろうねぇ…………婆ちゃんは心配だよ?」


「これは心配なよ!! これは総合格闘技ジムの入会許可書だよ…………婆ちゃんのサインが必要なんだよ!!」


「総合格闘技っていうのは、良く分からないけど…………危ない事じゃないだろうね?」


「ボクシングとかと同じだよ!!」


 婆ちゃんは疑いの目を圭吾に向けるのである、圭吾は総合格闘技だと説明を行うと嫌だと拒否する。

 危ない事はさせられないと婆ちゃんは言うのであるが、圭吾も絶対に総合格闘技をやりたいので説得を続ける。


「もう外では喧嘩なんてしないから、ここにサインをくれないかな…………やっとみつけたんだよ!!」


「はぁ。お前は昔から、父親に似てるんだから…………分かったよ。絶対に外では喧嘩しちゃダメだよ」


 圭吾は外で喧嘩をしないと言う条件で、婆ちゃんから許可書のサインを貰う事が出来たのである。

 次の日の学校帰りに圭吾は、走って倉知ジムに行くと会長たちはおらずに、数人の人間が自主トレをして居た。


「ありゃ。君って昨日の子だよね? 俺は《加藤 竜太郎(かとう りゅうたろう)》って言うからよろしく!!」


「それじゃあ、俺も自己紹介すると《深澤 省吾(ふかさわ しょうご)》だから、よろしくね!!」


「宜しくお願いします!!」


 加藤は坊主にゴツゴツした顔をした人間で、深澤はスカしたナルシストの様な人間で歳は20歳過ぎくらいである。

 その2人は悪そうな人じゃないので、圭吾は仲良くしようと決めると練習着を着替えにロッカールームに行く。


「あれ? 黒羽さん、こんなところで何をしてんすか?」


「何をしてるって、見たら分かるんじゃねぇのか? 次の試合まで時間があるから寝てるんだよ…………」


「今度の防衛戦は、いつになるんですかね?」


「ん? 2回目の防衛戦は今年の終わりだよ…………」


 ロッカールームのベンチで黒羽が寝て居たのである、圭吾は練習着に着替えるとストレッチを行う。


「おっ。小僧は逃げずに来たんだな…………それじゃあ、黒羽のロードワークに着いて行ってみぃ」


「ロードワークですか? 了解しました…………後ろをついて行けば良いんですよね?」


 倉知会長は圭吾の最初のトレーニングは、黒羽に着いて行ってと言われたので着いて行く事にしたのである。

 黒羽は圭吾が着いてくるのを気にせずに、ハイペースで街の中を走っていき河川敷に着く、すると河川敷でシャドーボクシングを行いながら圭吾を待っている。


「思ってるよりも早く着いて来たじゃないか…………それじゃあ、こっから速度を上げるけど良いな?」


「全然良いですよ!! 黒羽さんのペースで、進んでもらっても良いので…………本気でやって下さい!!」


「それじゃあ。いつも通りにやらせてもらうか!!」


 黒羽は圭吾が気にせずにロードワークをしてくれても良いと言ったので、いつも通りのスピードに戻すのである。

 すると圭吾は見る見るうちに離されてしまう、しかし少し遅れていると言えども8メートルの距離を保つ。


「なんとか生きて帰って来たみたいじゃな…………それじゃあリングに上がって、ミット打ちをやるぞ!!」


「いきなりですか!? 休憩は無いんですね…………やってやろうじゃ無いですか!!」


 圭吾が倒れ込みながらジムに帰ってくると、倉知会長はミットを持って来てミット打ちをやると言うのである。

 圭吾も根性があるので立ち上がってリングに上がる、経験者じゃ無いにしてはミット打ちのリズムが良い。


「初めてにしては、中々に良い音をさせおる…………だが、お主には決定的な欠点がある!!」


「決定的な欠点? そりゃあ、始めたばかりだから下手ではあると思いますけど…………」


「下手とか上手いとかでは無い!! お主には、必殺技がないんじゃよ!!」


 倉知の言う圭吾の弱点とは、相手に警戒させる様な決め技がないと教えるのである。

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