029:ボクシングの盲点
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―東京都・圭吾の自宅―
圭吾は試合が間近に迫って来ているので、学校帰りからのトレーニングが激しくなっていき、圭吾は毎日の様にボロボロになりながら生活をしているのである。
「東くん!! こ、このジュースをどうぞ!!」
「これって、何のジュースなんですか? す、凄く美味しいですよ!!」
「それは、バナナとかフルーツのスムージーです!! 疲労回復とかにも良いと聞いたので作りました!!」
圭吾のところに穂花がやってきて、フルーツで作ったスムージーを差し入れしてくれたのであるが、そのスムージーが美味しくて圭吾は驚いている。
「あ、あの!! この後って空いていたりしますかね?」
「すみません!! この後は、少し用事がありまして空いていないんです…………試合が終わった後なら余裕がありますので、その時で大丈夫でしょうか?」
「それで大丈夫です!! 予約させてもらいますね!!」
圭吾に時間はあるかと聞くのであるが、圭吾はジムに戻ってミット打ちをしなければいけないと言うのである。
それを聞いた穂花は少し落ち込むのであるが、圭吾が試合が終われば当分は空いているからと言って、試合が終わってから時間を作って遊びに行く事になった。
―東京都・ベルサール高田馬場―
ベルサール高田馬場にて注目の一戦が行われる、その試合とは〈南野 蓮夜〉が3位との入れ替え戦を行う。
南野は圭吾との試合で負けたが、オリンピックで銀メダルを取っている事が大きく関係して人気を落としていない。
『青コーナー!! 体重〈138ポンド〉身長〈5.77フィート〉…………共栄ジム所属。〈南野 蓮夜)!!』
『赤コーナー!! 体重〈143ポンド〉身長〈5.88フィート〉…………大岸拳闘会所属。〈田辺 春樹〉!!』
対戦相手の田辺はSJLではあるが、経験豊富で南野よりも多くの対戦経験がある少し格上の選手である。
それに対して気負う事なく、圭吾たちに負けたくないと言う気持ちでリングの上に上がっているのである。
(ここで勝てば、1位との試合もある…………負けるわけには行かん!!)
先に仕掛けていくのは田辺の方で、打撃からの蹴りなどを行なってバリエーション豊富な攻撃をおこなってくる。
それに対して南野はアウトボクシングスタイルで、田辺の攻撃を圧してからカウンターを入れ込むのである。
(コイツは、本当に10代なのか!? さすがは、銀メダリストと言うべきか…………)
ヒット&アウェイをモノにしている南野を、田辺が捕らえるのは難しく当てられては逃げられるのが続く。
タックルをして倒そうとするのであるが、南野は田辺の腹に膝を入れてから背中に肘を入れて、浮き上がった顔に対して渾身のフックを入れ込み後ろに倒させる。
「ストップ、ゴングだ!! コーナーに戻れ!!」
3分5ラウンドなのでゴングに田辺は救われた、それに対して良い感じを掴めている南野は意気揚々と戻っていく。
「ウェルター級でも、順応して来てるな…………このままキープして、相手を的確に倒していくんだ」
「了解しました。相手も思ったよりは強くないです…………このままなら、あと2ラウンドくらいで倒せそうです」
南野陣営は余裕を持って会話をしていて、反対に田辺陣営は暗い話し合いになっていると言う予想を立てるが、思っているよりも田辺陣営は暗くはなっていないのである。
「どうだ、南野くんは強いか? いいや、そんな事は後でいいか…………勝てそうなのかい?」
「問題ないと思いますよ。彼はアウトボクサーで、近接勝負にも対応できていた…………しかし、ある事を除けばね」
田辺のトレーナーは勝てそうかと聞くと、田辺は南野には弱点があると言ってニヤッと笑っているのである。
その顔を見たトレーナーはやってこいと言って、第2ラウンドのリングに向かわせると、田辺は意気揚々とリングの中をグルッと回って様子を見ているのである。
(さっきのダメージは無いらしいな…………少しは、楽しめそうで何よりだ!!)
南野がアウトボクサーではあるが、少しジリジリッと近寄っていきパンチを打ち込もうとしている。
しかし田辺はローキックからジャンピングパンチという、特殊なコンビネーションを打ち込んで来る、あまり効果的では無いと思われたが、南野はクリーンヒットしていた。
(こんなふざけたパンチを喰らうなんて…………)
(そうだ!! その目が重要なんだよ…………お前はボクシングに慣れすぎてるんだよ!!)
南野はボクシングをやって慣れていたせいで、特殊なパンチやらキックに対応しきれていないと言うのである。
この作戦こそが田辺の作戦である、その後も田辺はトリッキーな動きを入れながら南野に襲い掛かっていく、南野は苦労しながらも第2ラウンドを終えてトレーナーの所に行く。




