028:収穫の秋
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―東京都・帝王ジム―
和馬からの提案を受けてから、1週間が経つと少し肌寒くなって来たが圭吾は、和馬とのスパーリングがあるのでやる気になっていて、身体が温まっているのである。
「今日は、よろしくお願いします!!」
圭吾は帝王ジムの入り口から入って、大きな声で挨拶をするとトレーニング中の人たちの視線を集めるのである。
すると奥からトレーナーを連れた和馬がやって来る、和馬は圭吾の身体を下から上と見て確認するのである。
「身体の仕上がりは出来ているようだね…………君の話は聞いているし、試合も見させてもらったよ」
「弟が負けて、結構気にしているんだよ!! 何か失礼があったら、ごめんね!!」
「別に良いですよ!! 弟さんは、とても強くて何回でもやりたい人でしたから!!」
「アイツの実力は、まだまだ世界には通用しない…………この血統は、僕が優秀だと証明してみせるよ」
圭吾の姿を見て和馬は、絞って来ているなと言って準備をするように言うと、和馬は先にリングの上に登るのである。
圭吾も荷物を置いてから服を着替えて、アップを行ってからヘッドギアを付けて準備を整えるのである。
「準備は整ったみたいだな。3分を5ラウンドでやっていくが…………それで良いよな?」
「問題ないんですが、ヘッドギアは付けないんですか?」
「ヘッドギアを付けてやったら、感覚が鈍るから付けないんだよ…………気にしなくて良いぞ」
2人は向かい合ってからゴングが鳴るのである、圭吾がエレファントスタイルをしようとした瞬間に、和馬が距離を詰めて来て左のジャブを打ち込むが威力が異次元である。
右のストレートと見間違うくらいの威力があり、左を数発喰らっただけで圭吾はフラフラになっている。
(どうやってんだ!? ジャブじゃないのか…………威力が普通のジャブと異なりすぎてる!?)
(ほぉ。耐久性はあるらしいが、ここからの手数があるかないかで大きく評価が変わるところだな…………)
圭吾は和馬と距離を取る為に、ローキックと左のジャブで間合いの自分に戻して難を逃れるのである。
圭吾が和馬からの離れたと思った矢先に、和馬はステップを踏んでコーナーに追い込んでいく、そして破壊力の高い左ジャブからガードを無惨にも壊す右ストレートを出す。
(こ、こんなのあり得ない…………ヘッドギアが無かったら殺されてたんじゃないのか…………)
圭吾のガードを簡単に破壊してボディから顎にフックを入れてテイクダウンを取る、スパーリングの為にテイクダウからの攻撃は禁止されているが和馬は勝利を確信する。
(うむ。この時期にしては、良いパンチが入った…………彼には残念だが、感謝をしなければいけないな)
「何処に行くんすか? まだまだ、こんなもんじゃあ終わりになりませんよ…………終わっちゃいないっすよ!!」
「ほぉ。あのパンチを喰らっても立ち上がるのか…………とことんやり合おうじゃないか」
試合が終わったと思ったのであるが、圭吾は立ち上がってファイティングポーズを取り戦闘意思を見せる。
するとニヤッと笑い和馬はマウスピースをし直す、そして圭吾に向かってファイティングポーズを取る、それに対して圭吾はエレファントスタイルを解放するのである。
(顔のガードを強めたのか? さっきの攻撃に対して、警戒をしていると言う事だろうが…………攻撃をする意識は少ないらしいな)
和馬は圭吾に近寄っていくと、圭吾のガードを壊す為に数発の攻撃を行って破壊を試そうとする、しかし象のガードの様に強いので防ぎ切られてしまっている。
和馬は距離を取ろうと数歩後ろに下がってしまう、そこに対して圭吾は渾身のハイキックを打ち込む、和馬はギリギリで腕で防いだが衝撃が頭まで到達したのである。
(ここまでの衝撃は、前チャンピオンとのタイトルマッチでも無かったぞ…………しかし、俺の攻撃を受け過ぎたな)
圭吾は1発を入れられたのであるが、和馬は試合が終わったと言ってオープンフィンガーグローブを取る。
ジムにいる人間が圭吾の事を見ると、攻撃を腕でガードしていた為に腕が腫れあがって上げられない状態だった、その為にスパーリングは続行不能で終わった。
―東京都・大渕出版社―
服部は良い記事がないかと空気椅子をしていると、服部たちのところに圭吾と和馬のスパーリング情報が入る。
「なんだって!? 現チャンピオンと、新人王がスパーリングだって…………そんなのが実現していたなんて!! それで、スパーリングの内容は?」
「それが和馬くんのTKO勝ちなんですけど…………圭吾くんも凄まじい蹴りを入れたらしいんですけど、そのまま両トレーナーが無理だと判断して終わったらしいです」
圭吾と和馬のスパーリング情報を聞いて、服部は良い記事になると言ってパソコンに向かって文章を打ち始める。




