027:GJFチャンピオンから
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―東京都・倉知ジム―
全日本新人王戦から2週間が経って、圭吾も本格的な練習をスタートさせていくのであるが、突然にミット打ちなどをするのではなくフォーム意識しながらサンドバッグを殴る。
(もっと腰を入れてパンチをする…………蹴りも重心移動を意識して重い蹴りを心がけよう)
集中して練習をしているところに、加藤と深澤がやって来てライバルたちの現状を報告しにやって来たのである。
「知ってるか? 南野は体重を上げて〈ウェルター級〉に転校して、敦也は〈OPC〉に挑戦だってよ」
「それじゃあ、金光さんは? どうなったか分かります?」
「それなら確かだけど、そのままミドル級に残って頑張ってるらしいな…………お前も頑張ろうな!!」
圭吾も気合が入っているのであるが、1位との試合もあって少しだけ緊張して動きが硬くなっている。
―千葉県・共栄ジム―
南野は圭吾に決勝戦で負けてから、1ヶ月後に試合を組んで勝った事で〈ウェルター級〉の10位を獲得する。
「次の試合は、2ヶ月後で10位と3位の入れ替え戦が控えているからな…………準備は良いか?」
「はい。階級は変えましたが、圭吾よりも早く日本チャンピオンになって見せますよ…………」
「そういえば、圭吾くんは1位との入れ替え戦が控えてるって聞いたな…………」
「はぁ!? いきなり1位と試合なんて…………こっちも負けてられませんね!!」
南野は3位と試合をして順位を上げようとしている、しかし圭吾の試合を聞いて理不尽だと思ったが、練習を積んで日本チャンピオンから世界に出てやると言うのである。
―東京都・帝王ジム―
帝王ジムは日本の中で、1番チャンピオンを輩出しており日本で最強のジムと言っても過言ではないのである。
そして帝王ジムには、敦也の兄貴でありGJFミドル級でチャンピオンになった〈西郷 和馬〉が在籍する。
「そういえば、和馬の弟さんが全日本で負けた話って耳に入っているのか?」
「敦也は、全日本のところまで行っていたのか…………それで、敦也に勝ったのは誰なんだ?」
「倉知ジムの〈東 圭吾〉って子なんだけど…………和馬と同じ学校の1年生らしいな」
和馬は敦也が負けた事も全日本に、出場していた事すらも知らずに驚いていて、敦也は誰に負けたのかと聞くと、圭吾の名前と同じ学校である事を知るのである。
「その子が気になるな。防衛戦も近いからね…………その子のジムに連絡してスパーリングをしよう」
「なんだなんだ? もしかして、弟の復讐でもしようとしているんじゃないのか?」
「別に負けたのは敦也の責任であって、俺には何の関係もないよ…………彼の実力を測りたいんだ」
和馬は圭吾をスパーリング相手に選んだ、トレーナーは敦也の復讐をしたいのかと聞くのであるが、自分が強い人間と試合がしたいからだと言って手配させる。
その通知は翌日に出されて、圭吾の元に倉知会長から伝えられて受けるかどうかの話し合いが行われるのである。
「GJFのチャンピオンから、スパーリングの指名!?」
「どうするんじゃ? 受けるのか、断るのか…………小僧の自由にして良いぞい」
「そんなの断る理由はありませんよ!! チャンピオンからの逆指名なんて…………チャンスですよ!!」
圭吾に倉知会長は判断を任せると、圭吾はチャンピオンからの指名を断るなんて勿体無いと言って受ける事にした。
その話を聞いていた黒羽たちは、辞めておいた方が良いと言うのであるが、圭吾はやる気になっているのである。
「それで、圭吾には考えがあるんだろうな? 無策のままやっても、何の意味もないんだぞ?」
「それなら、考えはありますよ!! 新しいアニマルスタイルを使おうと思っているんです…………防御と蹴りの強さを生かしたスタイルです!!」
「ほぉ。カンガルースタイルと熊スタイル以外に、新しい動物を投入するのか…………それは何なんじゃ?」
「ミットで受けてもらった方が、説明しやすいので良いでしょうかね?」
圭吾は新しい動物スタイルを、チャンピオンに通用するのかを試してやると言うのである、しかし説明しづらいのでミットを持ってほしいと言ってリングに上がる。
(腕は完全に顔の前にガードしていて、スタンスはカンガルースタイルよりも少し狭い…………これが何の動物なんじゃうな? 近寄ってみるとするかのう)
倉知会長はジリジリと近寄っていると、気がつけば倉知会長は空中に浮いていて、数メートル後ろに吹き飛んでいた。
「こ、これは何の動物なんじゃ!!」
「これはエレファントスタイルです!! 象の攻撃力と守備力を変え備えたモノ…………攻撃を受けて勝つモノです」
「象をスタイルに落とし込んだのか…………それは面白い」
圭吾の新しいスタイルとは、エレファントスタイルと言って象の守備力と攻撃力を兼ね備えたモノなのである。




