026:チャンピオンの実感
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―さいたまスーパーアリーナ―
全日本新人王戦は圭吾の勝利で幕が降り、会場からは惜しみない拍手と歓声が降り注いでおり、圭吾のところに肩を貸してもらって敦也がやって来るのである。
「負けは認めるが、お前をまだ認めないぞ…………また、今度リベンジしてやるから上で待っていろ」
「そうだな!! また今度やろうじゃんか…………その時まで、俺は先に行って待ってるぞ!!」
敦也は今回の試合は自分の人生において、兄貴だけが全てじゃ無いと言う事を知る事の出来た試合だと言うのである。
圭吾たちは観客に応えながら控え室に戻っていく、そして表彰式を行う為に着替えていると、集中の糸が切れたのか意識を失って圭吾は倒れてしまうのである。
―2日後・倉知ジム―
圭吾は顔や身体がバキバキのまま倉知ジムに挨拶しに来たのであるが、トロフィー置き場のところに東日本新人王のトロフィーと全日本新人王のトロフィーが置かれていた。
「こうやって目の前にトロフィーがあると…………優勝したって実感がありますよね!!」
「俺の場合は、簡単に日本一になっちまったから実感もクソも無かったけどなぁ」
「黒羽さんには聞いてないんですけどね…………そういえば来週には、加藤さんと深澤さんの試合があるんですよね?」
「おう!! そうだぞ!!」
圭吾は自分のトロフィーを見て優勝したと言う実感が湧いて来て興奮していると、後ろから黒羽がやって来て嫌味の様な事を言われて少し冷めてしまうのである。
そんな時に加藤と深澤が練習しているのを見て、来週に2人の試合があると言う事を聞いたと言うのである、その試合は見に行って良いのかと聞くと了解された。
「深澤の試合は〈SJL2位と3位〉の入れ替え戦をやるんだよ…………俺は〈SJL4位と5位〉の入れ替え戦だよ」
「2人とも結構なランカーだったんですね…………俺も、次の試合って誰なんだろうな」
「圭吾の場合は、まず5位と入れ替え戦をするんじゃ無いのか? それから勝ったら1位と試合をすると思うぞ」
2人の試合を見にいく事を決めた圭吾は、自分の試合はいつになるのだろうと思っていると、倉知会長がやって来て圭吾の試合が早速決まったと言うのである。
「3ヶ月後に試合が決まったわい…………試合の相手は〈SJL1位〉の《小関 雅紀》じゃ」
「早速1位ですか!? なんで、10位の新人を1位の人が受けてくれるんですか…………」
「1位の小関が、昇格戦の日程が空いているから…………調整がてらに、格下の小僧とやると言う事なんだと思うけどのぉ」
圭吾の試合は3ヶ月後に決まって、対戦相手は何と〈SJL〉で1位の〈小関 雅紀〉だと言うのである。
それを聞いた加藤と深澤は本格的に、圭吾に抜かされてしまうと言うのであるが、黒羽は1位の人間に簡単に勝てるわけがないと笑いながらサンドバッグを殴っている。
―1週間後・新宿FACE―
圭吾と黒羽は加藤たちの試合を見にやって来ていた、加藤はSJLの4位で5位の人間との試合をしている。
5位の人間は〈ウェルター級〉にしては、割と細身の人間で下馬票では加藤の楽勝勝ちだと言われていた、しかし試合をやってみれば押されてしまう状況だった。
(コイツ!? こんなに早く動きやがって、テイクダウンを取られたら恥だぞ…………)
動きが早いせいで加藤は止め切れていないのである、その為に懐に入られてボコボコにパンチを入れられて、細身の男にテイクダウンを取られた上にグラウンドパンチを喰らう。
しかし何とか加藤は相手の選手を掴んだまま、首を絞めて細身の男を占め落とす事が出来たのである。
「こんな泥試合を真似するんじゃねぇぞ? あんなのを真似すると、格闘技人生を棒に振るからな…………」
「アレはアレで、勉強になる様な気もしますけど…………」
次は深澤の試合ではあるが、あり得ないくらいに泥試合になってしまって圭吾と黒羽は頭を抱える内容だった。
圭吾は会場を後にすると学校に忘れ物をした事に気づいて学校に向かうと、教室に何故か穂花が残っていた。
「あれ? 圭吾くん、試合を見に行ったんじゃないの?」
「先輩方の試合が終わったから帰ろうと思って、忘れ物だけを取りに来たんだけど…………穂花さんは、何で学校に残ってるの?」
「学校の方が勉強が捗るからね…………私ね。整骨院の先生になりたいんだよね」
穂花は圭吾に整骨院の先生になりたい事を明かす、それを聞いた圭吾ば素晴らしい夢だと言って褒めるのである。
圭吾は穂花に勉強を教えてほしいと言って、少しの時間だけではあるが2人だけの時間が流れているのである。
―京都府・京都ジム―
圭吾に負けた敦也は、トレーナーと相談してある事を決断する事になるのであるが、かなりの決断である。
「日本でチャンピオンになるには時間がかかる…………俺はアジアに出ようと思っています!!」
「お前らしいな…………それなら〈OPC〉のチャンピオンを目指そうじゃないか!!」
敦也は日本を出て、フィリピンやベトナムやインドネシアなどのメインのベルト〈OPC〉を目指す事を決めた。




