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WFC〜チャンピオンへの道〜  作者: 湯崎 noa
第2章・東日本新人王トーナメント
20/82

020:信頼の回し蹴り

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―両国国技館―


 圭吾と南野の試合は第1ラウンドを終えて、1分間のインターバルを終えて第2ラウンドが始まろうとしている。


(カンガルースタイルと、南野のスタイルでは相性が悪すぎるんだよなぁ…………それでも、辞めるわけには)


 圭吾はカンガルースタイルに対して少し不安感を感じているところであるが、カンガルースタイルを辞めるに辞めれない程に重要性は高くなっている。

 第2ラウンドが始まると、第1ラウンドとは異なってスローペースで入っていくのである、2人はグローブを何回も相手のグローブに当てて間合いを測っている。


(東は、どのタイミングで仕掛けてくるんだ…………いつ仕掛けてくる!!)


 南野が圭吾の船を狙ってローキックをした際に、圭吾は地面についてる方の足を蹴り、南野が前のめりに倒れそうになった瞬間に膝を顔面に入れて後ろに倒れさせるのである。


「なんだと!? 南野が後ろにダウンだと…………直ぐに体勢を持ち直すんだ!! このままでは、負けるぞ!!」


 南野は気を失いそうになるが地面に着くギリギリで、意識が戻って尻もちをついたが圭吾の追い討ちは避けられた。


(な、何が起きたんだ!? 俺は東に何をされた…………ヤバいな。意識が遠くなっていたぞ)


 南野は何があったのかを理解できずにいるが、試合は待ってくれないので圭吾が近寄ってくるのである。

 ダウンしたのは理解できるので、悔しさが込み上げて来て左手で圭吾との間合いを図ると、圭吾が少し前に姿勢を持って来たタイミングでハイキックを側頭部に入れた。


「なんじゃと!? ダウンを取られた直後に、相手にダウンを取り返すとは…………アヤツも怪物の部類か!?」


 圭吾は足元がフラフラし始めてしまった、それでも足を思い切り叩いて震えていたところを止める、すると2人とも相手の目を睨みながらリング中央に向かっていくのである。

 そして2人は互いにリング中央で殴り合っている、その殴り合いは壮絶でマットには血飛沫が飛んでいて、両者は既にフラフラの状態になってしまっているのである。


「両者ストップだ!! ゴングだ、ゴング!!」


 2人は観客が熱狂する様な殴打の応酬が続き、ゴングの音すらも気が付かずにレフェリーに止められるのである。

 明らかに2人の勝負は判定ではなく、KO又はTKOで決着がつくであろうと思っているのである。


「良いか、相手も限界に近いんじゃからな…………小僧だけが辛いと思ってるんじゃないぞい!!」


「はい。南野さんは、やっぱり強かったです…………殴っても殴っても倒れないんですよ」


「それは小僧もじゃろが、ここまで来て負ける事は許されておらんからな!!」


 圭吾は下馬票を大きく崩すくらいの活躍をしている、逆に言えば仕留め切れていない南野の株が大きく下がる。


「良いか、焦って潰しに行けばやられるからな…………丁寧に、1発1発を入れていこうじゃないか」


「はい。少しでも油断をすれば、こっちがやられる…………認めないといけませんね。アイツは、相当強いですよ」


「そうだな。お前らの世代には強い連中が多い…………その頂点に立つのは、お前だからな!!」


 両トレーナーは最終ラウンドに向けて、背中を叩いて鼓舞をしてリングに向かって背中を押してあげるのである。

 そして両者はリングに立ってゴングを待つのである、そしてゴングと同時に圭吾は南野に突進していく。


(コイツは、こんなに元気があるってのか!? 嘘だろ。こんなに、突進していくのかよ…………)


(から元気でも後ろに後退させれば…………決めるチャンスがやって来るぞ!!)


 圭吾のラッシュに南野は、得意の〈ヒット&アウェイ〉が出来ずに、その場で耐える事になっているのである。

 ジリジリと後ろに後退しているのであるが、さすがの圭吾でもラッシュの速度が落ちていくと、逆に南野のチャンスになって圭吾の顎にカウンターが喰らって圭吾が後退する。


(ここが攻め込むチャンスだ!! ここを見逃せば、次のチャンスが来るかは分からないぞ!!)


 攻守が変わったかの様にパンチと蹴りのラッシュをかけて圭吾の膝を〈くの字〉に折らせると、顔面に膝を入れてトドメを入れる様にボディにパンチを入れようとする。

 しかし圭吾は待っていた、南野が仕留めようとして大振りになるという事を、それを見抜いた圭吾は飛び膝蹴りをカウンターで顔面に入れると南野は意識が飛びそうになる。


(ま、まさか返して来るなんて…………こんなところで、終われないんだよ!!)


(そうだよな!! アンタは、こんなところで倒れるわけにはいかないんだよ…………そこまで読めてるんだよ!!)


 圭吾は飛び膝蹴りでは沈まない事を読んでいた、その為に着地と同時に周り蹴りの体制に入っていた、そして意識があるだけの南野の顔面にクリーンヒットした。

 南野はマットの上に力なく倒れ、それと同時にレフェリーが両手をクロスさせて圭吾の優勝をコールした。

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