019:決戦の時
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―両国国技館・控え室―
圭吾は1試合目が始まる段階で控え室で待機する、待機中に圭吾は早めにアップをして身体を温めるのである。
「気合いは入っている様じゃな!! 良くぞ、ここまで来たと褒めてやりたいが…………まだまだ、これからじゃぞ」
「分かっています!! ここの試合に勝って、全日本新人王戦に出てやります…………絶対です!!」
圭吾と倉知会長はミット打ちを行ってから、自分の試合まで集中力を落とさない様にアップを行っているのである。
会場には圭吾に負けてしまった人たちや、穂花などが来場して2人の決着を目の前で見届けようとしている。
「これより〈東日本新人王トーナメント決勝戦〉を行いたいと思います…………選手入場!!」
『青コーナー!! 体重〈132ポンド〉身長〈5フィート3インチ〉…………倉知ジム所属。《東 圭吾》!!』
『赤コーナー!! 体重〈132ポンド〉身長〈5.77フィート〉…………共栄ジム所属《南野 蓮夜》!!』
2人は新人であるが新人では無い様な歓声が上がる、2人は集中し切った表情でリングの上に登るのである。
そして中央で注意などを行ってから、グラブタッチをして両コーナーに分かれてゴングを待つのであるが、ゴングが鳴ると同時に2人は中央に突進していく。
(南野も考える事は同じって事なんだな…………それなら、先手必勝を体現してやる!!)
(最初からふざけた技とは、やる気にじゃ無いか…………こっちも本気で相手になってやるよ!!)
圭吾は最速でカンガルースタイルを行うのである、しかし南野の方も得意の〈ヒット&アウェイ〉を使っていく。
圭吾の顔面にジャブを入れてから距離を取ると言う、戦闘方法で圭吾からポイントを取っていく、圭吾はカンガルースタイルで蹴り技を使うが空かしてしまうのである。
(コイツのファイトスタイルと、カンガルースタイルの相性は悪いのかも知れない…………)
(コイツのカンガルースタイルは、前に突進できても後ろには下がれないんだからな…………これは貰った!!)
圭吾のカンガルースタイルは前には進めるが、極端に後ろには下がれないので、南野はヒットしたら圭吾の背後にアウェイすると言う作戦でダメージを与えていく。
それでも圭吾は打たれ始めれば、スイッチが入ってくる人間であり、口から血が出始めて圭吾のパンチ速度が上がる。
(ここに来て速度が上がるのか…………カウンターを狙ってやるよ!!)
南野は圭吾が腕を伸ばし切った時に、カウンターを入れてやると考えているのであるが、敬語の速度がカウンターを上回って顔面にクリーンヒットしたのである。
クリーンヒットはしたが後ろに少し下がるだけで、倒れはしなかったので圭吾は追い討ちをかけにいかなかった。
(結構なパンチを持ってんじゃねぇか…………こんなに、良いのを貰ったのはオリンピックでも居なかったぞ)
(これで後ろに後退するだけなんて…………コイツは、相当な特訓を積んで来ているんじゃ無いか)
南野は鼻の血を拭ってから、構えて手首を上下に振って圭吾を煽る様な行為をおこなった、それを見た圭吾は倒れなかったのを見て素晴らしい身体と精神をしていると感じる。
男同士のバトルという事もあって、挑発に乗るように向かって行き左右のコンビネーションで攻撃をするが、綺麗に避けられて逆にカウンターを受けてしまうのである。
(くそ!? さっきのやり返しをしたかったのか…………コイツも俺と同じで、相当な負けず嫌いなんだな)
「さぁ。もっと来いよ…………この勝負を楽しもうじゃ無いか!! 決勝戦なんだからな!!」
圭吾がフラついたのを見て南野は、もっと攻撃して来て楽しい勝負にしようと煽り立てるのである。
それを聞いた圭吾はニヤッと笑って、南野に対して慣れていない回し蹴りからの中段蹴りを入れる、そのコンビネーションは圭吾の得意技で南野に命中するのである。
(うわ!? こんなに良い蹴りを持ってんのかよ…………変な構え方だけが、得意なわけじゃねぇんだな!!)
そこから2人は接近戦を好んでいき、拳を顔に入れられたら相手の顔面に入れ返すなどを繰り返している、すると南野の顔面からのボディを入れた2発で圭吾は倒れ込む。
倒れ込んだ圭吾に対して南野はテイクダウンを取る、そこからグラウンドパンチを行うとレフェリーが割って入る、南野は勝ったと思ったのであるがゴングが鳴っていた。
「あと少しで倒せたっていうのに…………」
「いいや。結構良い線まで行ってたけどな…………あと少し時間があればってところだったからな」
「次のラウンドで勝てますね。あと5分と2ラウンドもあるなんて…………ラッキーとしか言えないな」
南野陣営は時間があれば勝っていたと確信している、それとは反対に圭吾側はやり口を変えないと、このままでは負けてしまうのは目に見えているというのである。




