018:好敵手
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―千葉県・共栄ジム―
共栄ジムでは圭吾世代では、最強の呼び声高い《南野 蓮夜》が在籍している大きなジムなのである。
1ヶ月後に控えている試合に向けて、南野は手を抜く事を知らないのでサンドバッグを殴りまくっている。
「金光が負けたらしいな…………次の対戦相手は、喧嘩上がりの〈東 圭吾〉らしいが、勝てるんだろうな?」
「誰だと思ってるんですか。こんなところで、負けられるわけがないじゃ無いですか…………相手は何処まで行っても、喧嘩上がりの中途半端な人間なんですからね」
共栄ジムの会長《大竹 信雄》が南野を指導しているのであるが、喧嘩上がりの圭吾の事を馬鹿にしているが、負けられないプレッシャーもある。
南野はリングの上に上がって、大竹と一緒にミット打ちを5分4セットを行い決勝戦に向けた準備をする。
「良い出来ではあるが、相手に何もさせずに勝てるには、もう少し鋭さがなければいかん…………」
「キレもそうだが、パンチの重さも上げなければ…………それとテイクダウンも準備しないとダメだな」
大竹と南野は2人で研究しまくっているのであるが、敬語を完全に倒すのにはレベルアップさせなきればいけないところが、たくさんあるからと第2セットに入るのである。
―東京都・倉知ジム―
圭吾はサンドバッグを殴って良い音を鳴らしている、その音を聞いて加藤と深澤は嫉妬しているのであるが、倉知と黒羽は南野と比べれば、まだまだダメだという。
「小僧!! 河川敷に行って、トレーニングをするぞい」
「はい!!」
サンドバッグを殴っている圭吾を呼んで、河川敷に行って100メートルや1500メートルを、何回も行って基礎体力をひたすらに上げて、最後まで戦える様にする。
ランメニューを終えたところで、圭吾は河川敷で南野を想像しながらシャドーを行っている、南野の試合を少しだけしか見ていないので、想像力が上手くいかないのである。
「もっと早くじゃ!! 奴は銀メダリスト…………そんなもんでは、カウンターが飛んで来てしまうぞ!!」
「はい!! もっと早く、もっと重く…………これじゃあ、南野のレベルには追いつかない!!」
圭吾と倉知会長はオーバーワークのペースで、トレーニングを積んでいるのであるが圭吾の天性の才能である、オーバーワークに耐えられる身体で倉知会長は喜ぶのである。
―両国国技館・計量場―
2週間に1回の休養でトレーニングを行なって行き、遂に計量の日がやって来たのであるが、計量場には南野が先にやって来て計量を行って待っている。
「遅れて申し訳ありません!! 少し渋滞で、遅れてしまいました…………直ぐに準備します!!」
南野はふざけた野郎だと思っているのであるが、圭吾が服を脱ぐと前試合の時とは筋肉量が格段に異なり驚く。
「1ヶ月で、ここまで身体を作れるものなのか…………」
「彼も、今回の試合の意味を理解している様だよ…………尚更に負けられないんじゃ無いのか?」
「当たり前ですよ。こんなところで、出世コースからリタイアするわけには行かない…………負けるわけにはいかない」
圭吾の身体を見て1ヶ月で絞れる身体じゃ無いと言う、大竹会長は圭吾の身体を認めた上で、南野に負けられないんじゃ無いのかと囃し立てて、やる気を倍増させるのである。
「よろしくお願いします!!」
「あぁ、よろしく。君との試合を楽しみにしていたよ………初めから全力で行かせてもらうよ」
「こっちも全力でやらせていただきます!!」
圭吾と南野は固い握手をしてから帰っていくが、穂花の事もあって心の中ではギスギスしているのである。
圭吾が両国国技館の外に出ると、そこには何やら袋を持った穂花がやって来ており、圭吾は声をかけるのである。
「こんなところで、どうかしたんですか? もしかして、南野に会いに来たとか…………」
「違います、違います!! 東くんに、差し入れをしたくて来たんです…………減量が大変だって聞いたから」
「わざわざ来てくれたんですか!? 確かに減量は、少し辛かったですけど…………ありがとうございます!!」
穂花は減量が大変だと言う事を聞いたので、圭吾に弁当の差し入れを渡しに来たという、圭吾は喜びを隠しながら弁当を受け取ると公園に2人で向かうのである。
「明日の試合って、蓮夜さんとやるんだよね? 2人とも応援してるから、怪我だけはしないで下さいね…………」
「怪我しないのは難しいんだけど、とにかく全力で頑張ってくるよ…………応援、よろしくお願いします」
穂花は圭吾に怪我だけはしないでほしいと言う、しかし格闘技で怪我をしないのは難しいと圭吾は言うが、明日の応援をよろしくお願いしますと言って弁当を頬張る。
「こんなところで、試合の前日に女を侍らすなんて…………随分と余裕があるもんだな」
「南野!? 悪態を吐きにやって来たのか…………明日の試合は、負けないからな!!」
さっきの敬語を2人とも忘れている様に喧嘩寸前になるのであるが、穂花が仲裁に入って別れるのである。




