017:爪の甘さ
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―8月・鎌倉海水浴場―
圭吾と黒羽たちは2人の記念として、鎌倉の海水浴場に遊びにやって来ていた、夏休みという事で海水浴場には多くの人が押し寄せていて可愛い子も多くいる。
「今日は可愛い子を捕まえてやろうぜ!!」
「俺に出来ますかね?」
「出来るか出来ないかじゃねぇよ…………やるんだよ!!」
ナンパをしてやろうと黒羽が言うのであるが、圭吾はナンパをした事がないので出来るのかと心配している。
やった事がないがやって見ると、子供に興味はないと言われてビキニを着た美女に簡単に断られてしまうのである。
「やっぱり、ナンパなんて出来ないよなぁ…………ん? あの人って、何処かで見た事があるなぁ…………」
圭吾がナンパ失敗して凹んでいると、砂浜を走っている人を見つけて見た事があると、圭吾は感じたのである。
圭吾はうーんっと考えていると、少し考えるとピンッと来たのであるが、砂浜で走っているのは〈GJFライト級チャンピオン〉の《浪岡 春也》だった。
「浪岡さん!! こんにちは、こんなところで浪岡さんに会えるとは思えませんでした!!」
「ん? 君とは、どっかで会った事があるかな…………ちょっと心当たりが無いんだけど」
「会った事は無いです!! でも、自分も同じミドル級の新人でして…………次の試合は決勝戦です!!」
「次は決勝戦だって…………もしかして、倉知ジムの〈東 圭吾〉くんじゃ無いか?」
圭吾は同じ階級のチャンピオンに挨拶するべく、走っていくと誰なんだと言う目で向けられたのであるが、決勝戦の事を伝えるとピンッと来て圭吾の事を言い当てる。
「この前の試合は見せてもらったよ。君の戦闘スタイルは、不思議だから話題になっていたよ…………それに、君も喧嘩上がりなんだって?」
「君もって言う事は、浪岡さんも喧嘩上がりなんですか?」
「そうなんだよ。高校の時には少年院に入りそうになるくらいのワルだったなぁ…………今は誠実だけどな」
浪岡も圭吾と同じ様に喧嘩上がりだと言う事で意気投合して来たのである、そこで浪岡は練習場を借りてるからスパーリングをやって行かないかと誘うのである。
「スパーリングですか!? 自分なんかと、スパーリングをしてもらえるんですか…………」
「君の独特な動きを練習してみたいからね…………次の防衛戦は、とても怖い相手なんだよ」
「次の対戦相手ですか? その人って、浪岡さんが怖がるくらいに怖い人なんですか?」
「天才格闘家と言われている…………西郷くんだよ」
圭吾もスパーリングをやりたいと快諾すると、浪岡は次の防衛戦の相手が怖いからと言うのである。
圭吾は怖がるくらいの人間なのかと聞くと、次のチャレンジャーは天才格闘家〈西郷 和馬〉だという、それを聞いて圭吾は負けて欲しくないという気持ちが高まるのである。
「自分で良ければ、手伝わせて下さい!!」
「君の実力も付くから、一石二鳥だな…………それじゃあ、近くのジムまで来てくれるかな?」
「了解しました!!」
圭吾は浪川に着いて行き、近くで予約していた練習場に着くとストレッチをしてアップを行うのである。
圭吾はアップを終えると、ヘッドギアとオープンフィンガーグローブを借りて、準備を行うのである。
「さてと、それじゃあ始めようじゃ無いか」
「分かりました!! 全力でぶつからせていただきますので胸を借ります!!」
圭吾は胸を借りるつもりで、ぶつからせて貰いますと言って最初から〈カンガルーの構え〉を使うのである。
カンガルースタイルから始めた圭吾を見て、浪岡は面白いと言って近づいていくと圭吾はワンツーを繰り出すが、ことごとく避けられてしい、しかも顔面に2発喰らった
(今の一瞬にして、2発も喰らうなんて…………さすがは、日本チャンピオンだな)
「さぁ。ジャンジャン若さを生かしてもらおうか!!」
圭吾は立ち上がるとファイティングポーズを取る、そしてリズムを刻みながら近寄って行き、ローキックからボディを攻撃するが完璧に防御されてしまうのである。
今度は浪岡のターンが始まるのであるが、浪岡は回し蹴りを顔に向けて打つが攻撃を防がれる、すると反対の足を上げて二段蹴りの様にして顔を蹴り抜いた。
(あっ。ヤバいな…………)
圭吾は完全に蹴りむさ抜かれてしまい、完全にKOしてしまったのである、次に目を覚ましたのはリングの横に置いてあったベンチの上だったのである。
「いやぁ。圭吾くんの攻撃は素晴らしいものがある…………しかし爪が甘いのも確かにあるんだよ」
「それは感じている事です…………今度の決勝戦までには、レベルの高いところまで持って行きたいです!!」
1ヶ月後に圭吾の試合があると言う事で、浪岡は感謝の印としてアドバイスを行ってからランニングに向かった。




