015:渾身のボディブロー
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―大田区総合体育館―
第2ラウンドが始まったのであるが、圭吾の脛がローキックによって腫れ上がって来てしまっている。
(くそ。何か手を打たないと、立ってられなくなる…………カンガルーを使うにも、今なのか?)
圭吾はカンガルーを使うには早いのかと考えている、すると倉知会長はカンガルーを使う様に指示を出すのである。
指示が聞こえた圭吾は、左右にステップを踏んでボクシングスタイルのファイティングポーズを取るのである。
(これが例のふざけた戦闘スタイルか…………こっちのデータ少なくて、ただのボクシングスタイルじゃないよな)
データの少ない圭吾のカンガルースタイルに対して、手の打ち方が分からなかったのでローキック戦法を続ける。
しかし脚を常に動かしている事で、圭吾にローキックが当たらずに逆にワンツーのパンチを喰らう事になる。
(ただのボクシングスタイルじゃないのか…………それなら狙いを足から、ボディに変えてやるだけだ!!)
圭吾の足が常に動いているので狙いが定まらず、狙いを足からボディに変更をして中段蹴りを行うのである。
ボクシングスタイルでは中段蹴りが不利になる、それを一瞬にして金光は見抜いたのであるが、圭吾も少しガードを下げる事でボディに対する対応をするのである。
(へぇ。ボディに対する対応も出来てるのか…………思ったよりも面白くなりそうじゃねぇか!!)
金光は距離を詰めながら回し蹴りなどを行って、圭吾に対してパンチを打たせない様な作戦を取る。
それでも圭吾は蹴りが来たのを小脇に抱えたところで、顔面に対してパンチを行って反撃を行う、すると金光は数発顔面に喰らってしまってテイクダウンを取られてしまう。
(まずい!? 思ったよりも深く入ってたか…………グラウンドパンチを貰ったらヤバい!!)
金光はグラウンドパンチを貰ったヤバいと考え、圭吾が来たタイミングで両足を使って殴らせない様にする。
圭吾は時間をかけても勿体無いと思って、離れて金光が立とうとした瞬間に蹴りを入れて転ばせる、すると第2ラウンド終了のゴングが鳴って、セコンドがリングに入ってくる。
「良くやったぞ!! 2回のダウンを取っておる…………もしも判定になってもチャンスがあるぞい!!」
「判定なんかに持って行かせませんよ!! 絶対に次のラウンドで、倒し切って見せますよ…………」
倉知会長は圭吾に逆転して来たのというのである、しかし圭吾は判定に持ち込む気はないと言って準備を行う。
調子が上がっていく圭吾に対して、調子がイマイチの金光陣営に関しては、少し暗い雰囲気になっている。
「アイツの事を下に見ていたかもしれないですね…………耐久力も手数も多い」
「そうだな。認めなくては行けないが、それでも慶の方が上であるのは変わりない…………判定なんかに持ち込ませる事は、絶対にしちゃいけないぞ!!」
「次のラウンドが、最後ですよね? それなら次のラウンドで、決着をつけてやりますよ…………チャンピオンだって事は、忘れてチャレンジャーの気持ちでやります!!」
金光の方も最終ラウンドで、判定なんかに持ち込ませずに決着をつけてやるとやる気を出しているのである。
2人はリングの中央に向かっていき、ゴングと同時に相手に向かっていき接近戦がスタートする、そして最初に攻撃が当たったのは圭吾の方で、左のジャブが命中する。
(何!? パンチの速度が上がって来てるだと…………こんな終盤で速度が上がるなんて!?)
圭吾のパンチスピードが上がっていき、金光はカウンターを狙う隙がなくなって来てしまっている、そしてジャブからの渾身の右ストレートがガードを破壊するのである。
圭吾は右ストレートを放つ為に、右腕を振り上げるが隙になってしまい、金光ら真っ正面にガードを行う。
(こんなところで、負けるわけにはいかねぇんだ!!)
(俺の狙いは、顔面じゃねぇんだよ!! 打たれ強い、お前に顔面ばかりでは通用しないからな…………)
圭吾は顔を殴ると思わせてボディにパンチを入れた、それによって金光の顔は衝撃に耐えられずに前のめりになる。
そこを目がけて圭吾は、顔面に飛び膝蹴りを入れて金光を前にテイクダウンさせるのであるが、ボディからの顔面に膝が入った事で完全にガードする体力を削られた。
「ストップ!! 東選手、ストップだ!!」
「よっしゃぁああああ!!!!!」
圭吾がグラウンドパンチをしていると、レフェリーが2人の間に割って入って、両手をクロスさせゴングを鳴らす。
この時点で圭吾の決勝戦進出が決まったのである、リングの中央で膝をつけて喜んでいると、倉知会長たちがやって来て圭吾を持ち上げて喜んでいるのである。
「良くぞ、やったぞい!! こんなにも気持ちの良い最後にかるとは、思わなかったわい!!」
「ありがとうございます!! ありがとうございます!!」
圭吾とセコンドたちは喜んでいると、意識が戻った金光は立ち上がって圭吾のところに歩み寄るのである。




