014:高校生チャンピオン
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―大田区総合体育館・控え室―
圭吾は倉知会長とミット打ちをやっているのであるが、今日は試合のある黒羽は控え室で仮眠をとっている。
「ジジイと圭吾は良いよなぁ…………チャレンジャーってのは負けても言い訳ができてよぉ」
「お主の根性を叩き直す時間が少なかった…………お主も準備をしておくんじゃぞ!! 行くぞ、小僧!!」
「はい!!」
圭吾は調子のいい感じでミット打ちを終えると、リングに向かって入場していくのであるが、金光は笑う事なく完成に少し応えてからステップを踏んで準備する。
『青コーナー!! 体重〈132ポンド〉身長〈5.76フィート〉…………倉知ジム所属。《東 圭吾》!!』
『赤コーナー!! 体重〈132ポンド〉身長〈5.77フィート〉…………八島ジム所属《金光 慶》!!』
2人のコールを行うと期待感が強いので、観客たちは両者に対して歓声を上げてゴングを待っているのである。
そしてゴングが鳴ると同時に、圭吾は飛び出していき飛び蹴りを打ち込むのであるが、モーションが大きい為に金光に余裕で避けられてしまったが、当たるとは思っていない。
(こんなのが当たる様なら、期待してたのは無理なんだろうからな…………蹴りには気をつけないとな)
(こんなふざけた攻撃をしてくるなんてな…………ローキックが苦手だって聞くからな!!)
金光は距離をジリジリと詰めて行って、圭吾の脛を狙ったローキックを行いクリーンヒットする。
圭吾は嫌がって後ろに数歩下がったのを見て、さらに金光は距離を詰めていきローキックからパンチのコンボが入る。
(やっぱり、高校生チャンピオンってのは伊達じゃないってわけなんだな…………ローキックが痛すぎるな!!)
圭吾はローキックが決まり過ぎると、この先になって困ると思うので〈熊の構え〉を早速に発動するのである。
熊の構えを見た金光は、距離を詰めずにローキックがギリギリ届く範囲まで下がって、圭吾の攻撃手段を断つ。
(コイツの攻撃は、間合いに入ったらヤバいけど…………入らなければ、何の問題もない!!)
(コイツも熊の構えの対処法をしてるんだな…………それでも、まだカンガルーの構えを使うには早過ぎる!!)
圭吾の事をビデオで見て熊の構えに関しては、対策済みのせいで圭吾から仕掛けずにはいられないのである。
しかしキックボクシングの距離は、遠くて間合いに入るには被弾を覚悟して突っ込まなければいけない。
(痛!? 痛!? ローキックばっかりしやがって…………こっちが黙っていると思えば!!)
(こんな蹴りやすい的はないな!! それに近寄られたら、下がれば良いしな…………コイツの動きは早くない)
圭吾は被弾を受けながら前に進むのであるが、金光の方は近づかれたら下がると言った戦法で差が生まれ始めた。
そんな時に圭吾は、金光の飛んで来た蹴りを掴んで持ち上げて後ろに押し倒す、それによって圭吾はマウントを取る。
(よし!! コイツはキックボクシングの選手だ…………寝技に持ち込めば、苦手分野のはずだ!!)
(俺が寝業が苦手…………だって思ってんだろうな!!)
圭吾はキックボクシングを経験している金光は、寝業に持って行けば勝機があると思ったのであるが、実は金光はキックボクシング以前に柔道をやっていた。
その為に逆にマウントを取られてしまい、圭吾の顔面をグラウンドパンチを行っていくのである、そしてもう少しというタイミングで、第1ラウンド終了のゴングが鳴る。
「あの人のローキックはヤバいですね…………それに柔術も使えるなんて聞いてませんよ」
「奴の底は、まだ見れていないらしいな…………とにかく、アヤツのペースに持っていけば負けるぞ!! こっちのペースに持っていき、勝利を手繰り寄せるんじゃ!!」
「了解しました!!」
圭吾は第2ラウンドが開始する為にマウスピースをする、そしてガードを固めながらジリジリと近寄るのである。
金光の方は華麗なステップで、圭吾の周りをグルリグルリと回って品定めの様に見ていると、第1ラウンドの様に圭吾が仕掛けていき、ワンツーからの中段蹴りを行った。
(なに!? こんな綺麗なワンツーを打てるのか…………それに中段蹴りも、中々の威力があるな)
(結構良いのが入ったけど、大したダメージが入っていなさそうだな…………)
圭吾のワンツーからの中段蹴り喰らった金光は、意外にも綺麗な攻撃して来て驚きを隠さずにいるのである。
しかし攻撃を喰らっているにも関わらずに、金光は涼しい顔をしながらステップを踏み続けるのである。
(ローキックばっかり狙いやがって!! こっちは、ローキックが苦手なのによぉ…………マジで狙ってんな!!)
金光が圭吾の脛ばっかりを狙っているので、圭吾の脛が腫れあがり始めており、流石にヤバいと思っているのである。




