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WFC〜チャンピオンへの道〜  作者: 湯崎 noa
第2章・東日本新人王トーナメント
12/82

012:銀メダリスト

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―大田区総合体育館―


 前日に第1回戦を終えた圭吾は、次の日になると黒羽と一緒に反対ブロックの試合を見にやって来ていたのである。


「お前の次の対戦相手も強いらしいが、何よりも反対ブロックにいる人間は…………もっと強いぞ!!」


「高校生チャンピオンよりも強いんですか!?」


「その通りだ。その名も《南野 蓮夜(みなみの れんや)》って言うんだが…………南野は、18歳にしてオリンピックで銀メダルを取った人間だ!!」


「お、オリンピックで銀メダルですか!? そんな人が総合格闘技をやってるんですか…………」


 2人が見に来た人間は〈南野 蓮夜〉であり、南野は18歳にしてオリンピックのボクシング部門で、銀メダルを取ったと言う天才的な選手だと黒羽は言うのである。

 そんな話をしていると南野が入場する、格闘技好きには話題になっている南野は人気があるのは見て分かる。


(あの人が南野って言うのか…………確かに不思議と、異様な雰囲気が遠くから見ても分かるのがあるな)


 南野は整った眉にキリッとした目をしており、格闘技の強さに顔も整っているので南野は人気のある選手である。

 そしてリングアナがリングに上がって、両者の人の準備が整ったのを見てからマイクを手にする。


『青コーナー!! 体重〈131ポンド〉身長〈5.65フィート〉…………銀糸会所属《大迫 哲人》!!」


『赤コーナー!! 体重〈132ポンド〉身長〈5.77フィート〉…………共栄ジム所属《南野 蓮夜》!!」


 両者はグラブタッチをしてから両コーナーに分かれ、ゴングと同時に大迫が突撃していくのである。

 それに対して南野は奥手でローペースから入る、その為に大迫がラッシュをかけている様に見える。


(なんだよ。銀メダルって聞いたから、とてつもなく強い人間だと思ったけど…………なんも怖がる必要は無かったな)


 大迫が前に行く中で、南野はジッと耐えて大迫の様子を見ているのであるが、残り1分になったところで南野は頭を揺らして前にで始めたのである。

 大迫はラッシュをかけすぎたせいで、疲れてしまって逃げるに逃げられず、南野は肩でフェイントを入れてから右のストレートをガードの間に通して1発で〈TKO〉を取った。


「嘘だろ!? ガードから一気に攻撃に思考を変えて、さらにパンチをガードの間に入れるなんて…………」


「それが、アイツの強さなんだよ。アイツの拳と蹴りは、一級品と言って良いだろうな…………今の圭吾では、試合にならないのは目に見えているだろうよ」


「確かに、そうかもしれませんね…………それでも、次の試合を勝って決勝でぶつかって見せますよ!!」


 試合が突然に終わったので、唖然としている中で女子たちのキャーキャーと言う黄色い声援が飛んでいるのである。

 そんな中を南野は気取った感じで、控え室に下がっていくのを見て黒羽は気に入らないと舌打ちをしている。


「とにかく、圭吾がスカッと勝ってくれれば問題なく喜べるんだけどな…………」


「勝って見せますから!! その時の応援は、よろしくお願いしますね!!」


「誰もがテメェの為に応援をしてやると思うだよ…………倉知ジムの人間が弱いと思われるのが嫌なんだよ!!」


 圭吾は黒羽の後ろを追うのであるが、人混みに飲まれてしまって黒羽と逸れたので、歩いて帰ろうとしていると会場にクラスメイトの〈川口 穂花〉の姿があった。


「川口さ…………」


 圭吾が穂花に声をかけようとした瞬間に、着替えを終えた南野が出て来て穂花に話しかけていたのである。

 その光景を見て驚いていると、穂花の方が圭吾に気がついて声をかけると南野の隣に呼ぶのである。


「圭吾くんも見に来てたんだね!! そうか。もしかして、決勝戦で当たるんだっけ?」


「コイツが喧嘩上がりの人間か…………まぁ。次の試合の金光に負けるだろうな」


「あぁん? 調子に乗ってんじゃねぇぞ…………そもそも川口さんとは、どんな関係なんだよ!!」


「どんな関係と言われてもなあ…………ただの幼馴染だよ」


 なんと穂花と南野は幼馴染だったのだと明かした、それを知った圭吾は嫉妬して睨みを効かせていくのである。

 今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気に、穂花は2人の間に割って入って喧嘩を止めると南野の背中を押して立ち去る。


「あんな野郎に、川口さんを渡してたまるかよ…………」


「負け犬の遠吠えって知ってるか?」


「黒羽さん!? どうして、こんなところに…………帰ったんじゃなかったんですか?」


「面白そうなのが見えてな。ありゃあ、出来てるんじゃないのか…………お前の負けだな」


 圭吾の背後に黒羽が突然に現れて、南野と穂花が付き合っているのではないかと、わざとらしく話すのである。

 それを聞いた圭吾は拳を握って、準決勝も勝って決勝戦で南野を倒してやると完全にやる気スイッチが入る。

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