011:ここはオーストラリア?
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―大田区総合体育館―
圭吾はボンバー大谷に、ダウンからグラウンドを受けたのであるが、ギリギリで凌いで第2ラウンドに入る。
(アイツの実力は認めた上で、何をしてくるかは考えられないからな…………こっちの全力を出してやるか!!)
圭吾はゴングが鳴ってから直ぐに走っていく、そして左右のコンボから回し蹴りを腹に入れようとする。
しかし読み切られていて回し蹴りの足を掴まれる、そして上にグイッと上げてから反対の足を払われた転ばされる。
(なんだって!? 今の技の全てを見切ってんのか…………なんだ、何で攻め込んで来ないんだ!!)
「立てよ。男の寝込みを襲う趣味はねぇよ…………さっさと立って構えろよ!!」
「言ってくれるじゃねぇかよ!! やってやんよ…………実力の差って奴を教えてやろうじゃねぇんか!!」
圭吾は自分が倒れたのに、ボンバー大谷が攻め込んで来ないと思ってみてみると、冷めた顔をして立っている。
そしてボンバー大谷は立ち上がる様に促して、圭吾を立たせるとボンバー大谷の攻撃が始まったのである。
(面白そうな奴だと思ったが、対して強くなくて残念だ。もう面白くないから、ボコして終わりにしてやろう…………)
(コイツのギアも上がって来やがった!!)
ボンバー大谷は強い人間を壊すのが好きだったが、圭吾が思ったよりも強くないのでガッカリしているのである。
その為にラッシュをしてからボディにパンチを入れ、ガードが下がったところに顔面にストレートを打ち込む。
「これで終わりにしてやるよ!!」
「舐めんじゃねぇぞ!! こんなもんで終わってたまるかよって…………仕方ねぇ。新技を見せてやるよ!!」
圭吾は倒れるかと思ったが耐えて倒れない、グッと堪えた圭吾は新技を見せてやると言って距離を取るのである。
すると圭吾は左右でステップを踏んで、ボクシングスタイルの様に構えてリズムに動いているのである。
(ただの悪あがきじゃねぇか…………肘を打ち込んで終わりにしてやるよ!!)
ボンバー大谷は悪あがきだと思って、距離を詰めて行き顔面に肘を入れてやろうと近寄っていくのである。
しかし圭吾の間合いに入った瞬間に、顔面へのワンツーが決まって目を瞑ってしまい、顔を戻したところに右の回し蹴りがクリーンヒットしてボンバー大谷は吹き飛んだ。
(な、何なんじゃ……今のは!?)
「名付けて〈カンガルーの構え〉じゃい!!」
この技は〈カンガルーの構え〉というらしく、カンガルーのパンチ力とキック力を合わせた技だというのである。
ボンバー大谷は倒れ込んだ、そこに圭吾はグラウンドパンチを行っていくと、レフェリーが割って入り両手をクロスさせて試合を終了させるのである。
「よっしゃぁああああ!!!!! とんなもんじゃい!!」
「良くやったぞ!! あそこから逆転するとは!! それに新技なんて聞いておらんかったぞ!!」
圭吾のところに倉知会長たちが走っていき、持ち上げて逆転劇を興奮しながら讃えるのである。
圭吾もガッツポーズをして喜んでいる、ボンバー大谷側はお通夜ムードで暗くなっているのである。
「あんな逆転劇をするとはなぁ…………お前たちも油断してたら、直ぐに追い抜かれるんじゃねぇのか?」
「俺たちも思ってんすわ…………アイツは確実に上に行くタイプの人間だってね」
「アイツのパンチは顔面に喰らいたくねぇな…………とにかく、今は労ってやろうじゃんかな」
黒羽たちは逆転勝利を目にして、観客たちと同じく呆然としてリングを見つめているのである。
そして黒羽は加藤と深澤よりも活躍するなと、確信をして馬鹿にする様にいうと冗談にならないと2人は苦笑いする。
―大田区総合体育館・圭吾控え室―
圭吾の控え室のところに記者たちがやって来て、色々と質問をするのであるが疲れているからと倉知会長に追い出されてしまうのである。
「今日は少し要らないのを貰ってしまったな…………ガードとギアの入れ方は練習しなければいかん」
「そうですね。思ったよりも冷静さを保てていませんでしたから…………もっと強くならなきゃいけませんよね」
「それと、次の対戦相手は気をつけなければいかんぞ!!」
「次の対戦相手ですか? そんなに強い人なんですか」
圭吾の手当てを終えると反省会を行い、気をつけるところを確認してから2回戦の対戦相手を発表するのである。
「次の対戦相手は、キックボクシングで高校生チャンピオンになってる男だ…………決勝に行く為には、奴を倒さなければ絶対に無理じゃからな!!」
「そんな強い人が、次の対戦相手なんですか…………とても楽しみじゃないですか!! 高校生チャンピオンの人とやれるなんて、楽しみな事だらけですよ!!」
次の対戦相手はキックボクシングで高校生チャンピオンになっている先輩であるという、それを聞いた圭吾は強い人なら大歓迎だと言って楽しみにしているという。




