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詩「露天風呂にて」

作者: 有原悠二

悲しいふるさと

三十五歳、冬

久しぶりに

父と二人で

風呂にきた

からん からん

――

「あめ?」

「…雹だ」

一瞬の迷い

人生は長いようであっという間だと

小さなころに飽きるほど聞いた

その言葉の真意を語る父はもうここに

 いない。

灰色の紅葉

目の前の湯につかっている

大きな岩をぼんやりと見つめながら

年をとるということ

人を愛するということ

いつかはすべてが終わるということを

父よ、

わたしはまだまだ、

あなたの子だ。

冷たいからだを

熱い湯に埋める

終わりなど

今しばらくは

いや、いや

毛髪は白く、薄く

それでも力強い

ああ、あまりにも、

あまりにも――空

目に

雨音が

らせん状

世界を弾くように

揺れ動く水面が

岩を削る

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