新たな人生と出会い
恋愛面がどう書けばいいかまるで分からず、かなり唐突になってしまった部分があるかと思いますが、おつきあいください。
私はここシュタウヘンベルクの平民、テレーサだ。
生活は貧しいが、優しい人々に囲まれて幸せな生活を送っている。
両親が幼い頃事故で亡くなってから私は一人だが、寂しいことなんてない。今働いている食堂での仕事がとても楽しいからだ。
「テレーサちゃん、注文おねがい!」
「はーい!」
今の方は女将さん。身寄りがなくなった私を引き取ってくれて、住み込みというありがたい条件で働かないかと誘ってくれた人だ。
私は注文を待つお客さんのところに向かう。
「テレーサさんこんにちは」
「こんにちは!ハウンドさん 注文はいかがいたしましょうか」
彼は1年前からここの常連のハウンドさん。いつもにこにこしていて、柔らかい雰囲気を持つ彼は私の癒しである。というかもはや好きである。
「うーんオムレツをください」
はぁ~どうしてこうハウンドさんは目をうるうるさせるのだろうか。はー可愛い~
「かしこまりました! 女将さーん、オムレツ一つ!」
「はいよ!」
出来たオムレツをハウンドさんのところへ持っていく。
厨房に戻ろうと立ち去ろうとしたとき、ハウンドさんに呼び止められた。
「テレーサさん、週末の昼とか空いてますか?」
うっっ、だから子犬みたいな顔しないでってば!
「空いてますが、どうしてですか?」
何とか平然を装い答える。
「お昼ご飯を一緒に食べたいなと思って…だめですか?」
(えええぇぇ!!? はい! 喜んで!)
「あ、はい、良いですよ」
顔の表情がゆるっゆるで戻った私に女将さんがにやにやしながら
「あの子やっとあんたを誘ったのねぇ、良かったねぇ。楽しんできなさいね」
と、いうわけで私は週末にハウンドさんとご飯を食べに行くことになった。あああ楽しみ~
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そして迎えた当日
「ハウンドさんこんにちは!お待たせしてしまいましたか?」
待ち合わせよりも早く着いたのだが、ハウンドさんはすでに待っていた。
「いいえ、今来たところです。それでは行きましょうか」
すでにハウンドさんの笑顔にやられそうになっている私。
その後は本当に幸せな時間だった。
昼食を食べた後は、町をぶらぶらして屋台をまわった。
ハウンドさんが転けたおばあさんを迷い無く助けに行ったときは惚れた。いや、優しい人だって知ってたけど!!好き!
帰り際にハウンドさんが
「また誘っても良いですか」
と言われたので
「もちろんです」
すぐに返事した。
何回かハウンドさんとお出かけをして、ある日
「テレーサさん、一目見たときから好きです。何に対しても楽しそうにしていて、前向きなところを見てもっと大好きになりました。僕と付き合ってくれませんか」
と!告白を受けました!
「はい!私も好きです」
少し食い気味に答えてしまった。
好きな人と結ばれるってなんて奇跡なんだろう。
ちなみにその日はぐっすり寝た。
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ある時は一緒にピクニックに行った。
私は張り切りすぎてなんとお弁当まで作ってきてしまった。味見したから不味くはないはずだ。
見晴らしのいい原っぱに場所を取った。
「あの、今日はお弁当を作ってみたんだけど…」
「え、そうなの?! 君の手料理が食べられるなんてすごく嬉しいよ」
ハウンドさんは喜んで食べてくれた。
「どうかな?」
(ハウンドさんの口に合うかな)
「ん すごいおいしい テレーサちゃんありがとう」
良かったあぁ。安心したところで私も食べ始める。
すると、こちらをじっと見るハウンドさんに気がついた。
「私の顔になにかついてる?」
「ううん。美味しそうに食べるところが可愛いなあと思って」
ひぇー! 私の顔が赤くなるのが分かった。
「ふふ、すぐ顔が赤くなるところも好きだよ」
きゃぁー。果たして私の身は持つのだろうか…
ーーー
今日はハウンドさんと買い物に来ていた。
本屋さんで、ハウンドさんがある絵本を取って目を細めた。
「どうしたの?」
「この絵本は僕が子供の時に母に読んでもらっていたんだ。すごく懐かしいな。」
「そうなんだ、私は初めて見るなー」
絵本は親に読んでもらった記憶があるが、これは見たことがない。
「このあたりでは結構有名な話かもしれない。
100年前の実話なんだけどね、魔女に心を支配された王子が婚約者を牢屋に入れて、さらにその令嬢が父親からの愛情が無かったことに気付いて絶望して自ら命を絶ってしまうんだ」
ん?
ブックマーク等ありがとうございます!