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決意

 目を覚ますと、私は真っ白な空間の中にいるようだった。

 脳内に響く声に話しかける。


「面白い魂って?どういうこと?」


 "ふふ、それはね。フロリアーヌは、魔力というのはそれぞれの魂に結び付けられるものだって知ってる?"


「ええ。でも私は平凡な風属性だわ」


 "それが少し違うんだよ、フロリアーヌ。魔法適性検査の水晶に魔力をあてたとき、透明に近い水色になったでしょ?"


「そうだけれど、それと何の関係が?」


 "君は光属性の適性があるということだよ"


「そんなはずは…」

 謎の声の主はおかしなことを言う



 "透明に近ければ近いほど、光属性持ちという証になるんだ。まあ、風属性の方が適性があったのは事実のようだけどね"



 じゃあ、あのとき光属性だと判断されなかったのは何故なのだろう。

「そうだったら、どうしてあのとき」


 "風属性だけが判定されたかって?"


「はい…」


 "僕は精霊だから知ってるけど、光属性を持つものは千年に一人現れるか現れないかだから人間は知らないだけなんだよ。透明に近いというのは光属性の素質がある証だということを"


 精霊様が姿を顕した。


「あなたは精霊様だったのですね!お会いできて光栄です」

 礼儀として精霊様にカーテシーをする。


 「ああ、そういうのいいから」

 煩わしそうに精霊様が手を振る。


「私はあのとき、色が薄かったため風属性の上に魔力も弱いと伺ったのですが、そうではなかったのですね」

 衝撃すぎてすぐには信じられないが、こちらの精霊様がおっしゃるからそうなのだろう。



 「そうだよ。僕も光属性の人間に会ったのはひさしぶりだなあ。だから嬉しくて助けてあげたくなっちゃった」


「助けるって?」

 もしかしてどこかに連れて行ってくれるという話だろうか?


 「さっきの話だよ。君はあのままでは悲惨な死をたどる。だからその前に魂だけでも平和な世界に連れて行ってあげたくなっちゃったんだー」

 精霊様が私をじっと見る。


「なるほど…」

 私の悲惨な死について聞きたかったが、なんだか勇気がなかったのでやめる。

 それにしてもどこへ……?



 「僕は君をおよそ100年後の世界の隣国シュタウヘンベルクに連れて行く。記憶はどうする?消す?」


(まあ、この地から離れられるなら良いか)

「記憶は… 消してください。思い出したくもございませんので。」


 「そう。分かった! じゃ、いってらっしゃい。今度は幸せになりなね」


 精霊様がそう言ってパチンと指を鳴らすと、急に目の前が明るくなった。


 「困ったことがあったら、精霊の森においで......」

 薄れゆく意識の中、精霊様がそう言った気がした。

ブックマーク等ありがとうございます!


6/28細かいところを修正しました。

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