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1話 突然の暗闇……二度と覚めることのない人生の終了画面……

 「くっ……やっぱり最高難易度だけあって出てくる敵も手強い……。このままじゃ……」


 西暦2041年のある日、神霊しんれいという珍しい苗字みょうじを持つ現在17歳の少年、神霊魂しんれいこん

 彼は今通っている高校から帰宅し自室で”NEVER FORGET YOUR SOUL”、日本語で“お前の魂を忘れるなっ!”というタイトルのVRMMOゲームをプレイしているところだった。

 

 「……っ!。敵の攻撃が来ますっ!。後退して私のバリアの中へっ!、マスターっ!」

 「分かったっ!、フォンシェイっ!」

 

 こんは現在そのゲーム内で魔術師系統と召喚士系統を極めた力をあわせ持つ“フィロソファー”という最上級クラスの職に就いていた。

  

 その召喚士系統の力により呼び出した人間の手の平程の大きさしかない女の子の精霊、フォンシェイと他の仲間のプレイヤー達と共にゲーム内でも最高クラスの難易度を誇るクエストに挑み、そのクエスト内で現れる強力な魔族の敵と対峙していた。


 “シュイィィーーン……シュイィィーーン……”


 「よしっ……フォンシェイのこのバリアの中にいれば大抵の攻撃は防ぐことができる」

 「ちっ……」


 フォンシェイはこんを敵の攻撃から守る為その周りに風と水流によるバリアの膜を作り出し、敵の魔法により撃ち放たれてきた強力な火球の攻撃を全て打ち消してしまった。


 それに対し舌打ちをしていた相手の魔族、こん達と同じく人型の姿をしたモンスターは強力な魔法の詠唱直後に起きる体の硬直時間の影響により少しの間動きが止まってしまっていた。


 同じ人型といえど敵のモンスターのステータスはどれも高水準で、特に魔力と敏捷に関してずば抜けた値を誇りこん達もこれまでの戦いで相当な苦戦を強いられていたようだ。


 たがそんな状況を打破しようとここぞとばかりにこんの仲間の一人の女性プレイヤーが反撃に打って出た。


 その女性プレイヤーはゲーム特有の神秘的な構造の拳銃を両手に1丁ずつ手にし、腰の辺りまである淡い紫色のポニーテールの髪をなびかせて敵へと向かって行った。


 「……っ!、今がチャンスだわっ!。てりゃぁぁぁーーーっ!」


 “ババババババッ!”


 動き止まった敵に向かって行った女性プレイヤーのこのゲーム内での職業は“魔銃士まじゅうし

 自身の魔力に作り出された弾丸……“魔弾まだん”を銃口じゅうこうから撃ち放つ力を持っている。

 

 先程神秘的な構造の銃と言ったが、それは魔銃士まじゅうしが専門的に扱う“魔法銃まほうじゅう”と呼ばれる武器だ。


 その女性プレイヤーは右手の銃から火属性の魔力の込められた赤色の魔弾、

左手の銃から風属性の魔力を込められた薄い黄緑色の魔弾を乱射し、

動きの止まった敵を更にその場に釘付けにした。


 とはいえ相手もかなりの魔法に対する防御力を誇っており、動きを止められはしたもののHPへのダメージはほとんど与えられていなかった。


 できればこの隙に一気に戦局を逆転させたいこん達であったが……。


 「今ですっ!、マスターっ!。ルナさんが敵の動きを止めている隙にアジューさんを……」

 「ああ……アジューさえ呼び出すことができれば戦局は一気にこちらへと傾くはずだ……。天から地への制約は……なんじと我の誓約よりて満たされる……、汝と我の魂は……天と地の契約よりてつむがれる……。我が召喚の意に応じ次元の空を泳ぎてこの世に現界せよっ!。青きりんの怒りにて魔を滅する東方の守護者っ!、“青龍せいりゅう”アジュール・ガル……っ!」


 “ガガガガガッ……ヴィーン……”


 ルナと呼ばれる女性のプレイヤーが敵の動きを止めている隙に、こんは恐らくは新たな精霊を召喚する為のものと思われる呪文を唱え始めた。


 しかしその詠唱が完了する直前、突如としてこんの視界が大きく乱れ、ゲームが終了した際の暗闇の画面へと取り込まれていった。


 しかしゲームが終了してもこんの意識が現実世界に戻ることはなく、一体何が起きたかも分からぬままこんの意識はこの世から消滅してしまった……。


 


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