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8、無二の親友との出会い

挿絵(By みてみん) 「鏡原三花かがみはらみかと申します。趣味はピアノと水泳でございます。どうか皆様よろしくお願い致します。」





 今日は小学校入学式当日。式が終わり教室で各自自己紹介をする。


男子は学生服。女子は紺色で3本線の入っているオーソドックスな前あきタイプのセーラー服と白色の三角スカーフ、プリーツスカート、学校指定のハイソックス。パンチラ防止、スカートめくり防止の為ブルマははずせない。


あとこの学校はセーラー服の下にブラウスを着用する事になっている。


中間服としてブラウスにベストと紐タイ。夏服は半袖のセーラー服。





 僕は各自自己紹介しているのを何気なく見ていたが、三花ちゃんは違った。天才的な記憶力で各自の名前と趣味等記憶していた。





 『お、この子は可愛いな。』等ぼんやりと思っていたが実は僕自身がクラス中からそういった視線で見られていたとは気付かなかった。後から三花ちゃんが指摘してくれるまでは・・・。





 《雄蔵さん、可愛いなと思うのはいいのだけど、私達自身もそういった視線を浴びていたんだからね。ひしひしと伝わってきたわよ。》





語りかけてくる三花ちゃん。





 《へえ、そうなんだ。》





僕は相槌しかできなかった。











 自己紹介が終わり、休み時間に入る。


するとクラスメイトの女の子達がこちらにやってきた。





 「初めまして。私の名前は柏崎恵かしわざきめぐみ。 鏡原さん、よろしくね。」


三つ編みにしていて文学少女と言う印象を受けた。きっと眼鏡が似合うだろうなと思う。





次に、





 「同じく初めまして。私の名前は霧島香きりしまかおる。 鏡原さん、よろしく。」


この子はボーイッシュな感じで男装が似合いそうだ。





続いて、





 「では私の番ね。初めまして。私の名前は日向綾子ひゅうがあやこ。同じくよろしくね。」


ポニーテールにして実に活発そうな印象を受けた。





 と、3人が挨拶してきた。


僕も、





 「鏡原三花です。よろしくお願い致します。」





と無難に返答する。





 「さすがは鏡原家のご令嬢ね。」





と霧島さんが代表して言ってきた。





 『ご令嬢?はて?』





と思っていると三花ちゃんが、





《ご令嬢と言うのはお父様がおもちゃ会社を始め色々な事業の社長をしてるのよ。だから色々な所に人脈があり今まで数多くのレッスンを受けてこられたの。》





『どおりで、みかちゃんのお父さんに色々なコネがあるわけだ。』





と感心していると、ふと疑問に浮かんだ。





 《と言う事は、友達と言う名目で近づいて来たと言う事?お近づきになりたいとかで。》





僕は将来が不安になった。前世での見聞きした経験上そうやって取り入って来る者達がいると言う事だ。





 《その点は心配ないわね。3人共社長令嬢だから取り入って来るとかないはずよ。》














 この運命的な出会いにより4人の友情は深まり無二の存在となるのだが、今はまだ知る由もなかった。











 休み時間が終わり、次の時間は学校の施設見学だった。一通り周るともう時間が過ぎて休み時間になり、ホームルームの時間になり小学校1日目が終了して下校した。





「「「では、ごきげんよう。」」」





柏崎さん、霧島さん、日向さんは迎えの車で帰っていった。


僕はと言うと実は僕も既に迎えの車の中。





運転手の名前は福島大貴ふくしまだいきさん。僕専属の運転手だ。





 「三花様、この後のご予定ですが邸宅に戻る予定でしたが、入学パーティーを開催したいと言う事でこのまま直行致します。」





福島さんは運転しながらこれからの予定を伝えてくる。





 「でも制服を着替えないといけないわ。」





僕が言うと、





 「いいえ、そのままの格好で来て欲しいとの事です。」





丁度赤信号でこちらに振り返り、有無を言わさぬ表情で答える。





 「そう。わかりましたわ。」





車に揺られること十数分、目的地に着いた。











 「おや、主役の三花ちゃんのご到着だ。」


会場に着き周りを見ると音楽会社の社長が僕に気付き話しかけてきた。


他にはレッスンの先生達も来ていた。


お父さんとお母さん、お兄ちゃん達がこちらに気付き向かってくる。





 「どうだい?驚いただろう?三花の入学パーティーだけど驚かそうと思って内緒にしていたんだ。」





 どうやらお父さんは僕の驚く顔を楽しみにしていたみたいだった。





 「三花、制服姿とても似合っているよ。」





僕の制服姿を褒めてくれる。お母さんは以前に制服購入の時に見ていたけど、





 「そうね、似合ってるわよ。」





と言ってくる。僕は嬉しくなり一言、





「ありがとうございます。」





と答える。





ちなみにピアノの先生以外のレッスンの先生や兄達は僕が歌手デビューしている事は知らないので音楽会社社長はお父さんの1友人として出席している。





僕は両親、兄達、社長、先生方にお酌して回っていたが、『主役はどんとしておれ。』と注意を受ける事になり、席に着きおとなしくジュースを飲んだ。








つつがなくパーティーが終わり、解散の時間がやってきた。





お父さんとお母さんと兄達はお父さん専用の送迎車で、僕は来た時と同じく福島さんの車で帰宅する。


先生達もそれぞれ迎えを待って帰宅していった。





 「いやあ~。楽しかった。それにしても三花、セーラー服姿とても似合っているぞ。」





とお兄さんが言う。





 「ありがとう。」





と無難に答える。





 「そうだ、お菓子食べない?昨日のレッスンで作ったのがあるのよ。」





僕が言うと、





 「どれどれ、おいしそうだね。」





家族に分けて食べる。甘い物は別腹と言うか腹八分目なので、皆「おいしい、おいしい。」と感想を言ってくれた。











 「では着替えてくるわね。」





と言い自室に戻り私服に着替え、明日の時間割りの教科書をランドセルに詰めて、体育の授業があるので授業用の体操服とブルマのセットを忘れずに準備する。


もう一度明日の忘れ物がないか確認してからリビングに戻り、一家団らんのひと時を過ごした。





 その後部屋に戻り、三花ちゃん先生のもと色々な事柄を練習した。


セーブ&ロードを繰り返し、時折休憩をはさんでまだまだ練習が必要だと迫られる。





そうしてしばらくして風呂に入り、就寝につくのであった。



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