表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/31

6、練習

元々の三花ちゃんの能力にもよるが、教え方も上手でなんとか1曲弾ける様になり疲労困ぱいになり今日のピアノの練習は終わった。





 《まだまだね。でも素人にしては上出来ね。明日からまた違う曲を練習しましょうね。》





と呼びかけてくる。僕はたまらず、





 《うへぇ~!勘弁して欲しいよ~。》





とおでこに手をついて答えた。





 《まだまだよ。これから色々なレッスンがあり、あなたに身体で習得してもらわないといけないのよ。大丈夫、私がサポートするからね。》





と心強い言葉を貰うとひとまず安心した。











 《では明日は水泳のレッスンがあるの。ひとまずこれに着替えてみて。》





と三花ちゃんは棚から一着の水着を取り出してきた。





『これも見覚えがあるな。確かスクール水着と言うやつかな?』





 《では着替え方ね。まずはね・・・。》





と着替えの方法を教わった。ついでに脱ぎ方も教わり一応順番をマスターした。











 《さてと、そろそろお風呂の時間ね。》





と、彼女は着替えを準備してリビングに行き家族で入るのを今か今かと心待ちにして家族団らんのひと時を過ごしていた。





 そこで彼女は唐突に株を購入して欲しいと数銘柄父親に頼んでいた。


家族も三花ちゃんのそういった光景は慣れた物で、『またか・・・』と言う表情をしていた。


お父さんが「本当にこの銘柄でいいの?」


と尋ねれば「いいの。いいの。」と三花ちゃんが返していた。





「数年後に結果が出ると思うから今の内に購入しときたいのよ。」





と、三花ちゃんが父親に頼んでいるのを僕は何気なく見ていた。


数年後その会社の事業が大当たりして三花ちゃんの先見の明に家族が驚いていたのは見ものだった。





あと今は無名だけど将来有望な人達、既に大成している人達にファンレターを出したいと言う願いまでしていた。 





後、昨日約束していたお父さんのPCも触らせてもらう様にも頼んでいた。





「わかったよ。ではその株購入とファンレターは後日。PCは風呂上りに触らせてあげよう。」





とお父さんが快諾し、いよいよ家族で入浴して今はお父さんの部屋にあるPCの前にいる。








 《どう?あなたが使っていたPCよりも古いでしょうけど、この時代では最新型よ?》





僕が昔友人宅で見せてもらったPCの事を思い出していたら三花ちゃんが話かけてきた。





三花ちゃんが早速PCの前に座り何やら操作する。


お父さん曰く、三花ちゃんはPCの操作も手慣れた物で簡単なゲームをしていた。


それからしばらく自分はプログラミングの事がわからないのでさっぱりだが、基本的なプログラムを打ち込んでいく。いわゆるもうブラインドタッチをしており色々な事柄でハードルがあがるのを身に染みて感じていた。





父親や兄達も見慣れた光景らしく三花ちゃん並びに僕が向かうモニターを見つめている。


見る見る内にプログラミングされまさに三花ちゃんは天才なんだと僕は圧倒された。


まあ、こう言う設定だから当然だけど、凡人であった自分には想像以上であった。





 「ふう~。ひとまずこんなところかな?」





三花ちゃんが言うと固唾をのんで見守っていた父や兄達が、





 「どうだい?進捗具合は。」





と尋ねてくると、





 「まあまあと言いたいけれど、まだまだだね。」





と三花ちゃんが答える。





 「これでまだまだか~。完成したらどうなんだろうね。」





と父が答える。





 《で、どうだった?私のプログラミングの様子は。》





三花ちゃんが期待を込めた声を出してくる。





 《いやあ~。すごいの一言しか浮かばなかったよ。》





 《へへっ、そうでしょ~。あなたが来てから未来のPCのゲーム事情を知りまだまだだと悟ったのと、記憶を参考にして今のプログラムに色々組み込もうと思っているのよ。》





三花ちゃんは嬉々とした声を出してくる。





 「そろそろ三花は眠る時間だろう?太郎に次郎もそろそろ寝なさい。」





お父さんが僕達に向かいそう言いながらPCを終了させていた。





 「「「は~い。おやすみなさい。」」」





とお父さんの部屋から出て自分達の部屋に戻る。














 丁度その頃、父親は三花について独り考え事をしていた。


『三花の様子がどことなく変だ。以前は無かったがたまにぼーっとしてる時がある。まあ、熱が冷めて間もない事もあるのだろうし体調がすぐれていないのだろう。


それにしても三花の数々の優れた能力はなんだろう・・・。レッスンの先生もベタ褒めする程のまさに天才ぶりで将来が怖いな。いや、能力は心配ないんだが必ずや利用しようと近づいてくる者達がいるかもしれない。なんとか見守っていきたい所だが・・・。』

















 幼稚園も終わり今日は水泳のレッスンだ。


早速スク水に着替え、替えの下着や衣類の忘れ物が無いか確認してからプールに入る。


僕にとっては数十年ぶりのプールだ。


他の子は浅いプールで息継ぎの練習をしているが僕はクロールの練習をしていた。


 水に入ると自然と尿意がもよおしてくる。先生にことわりを入れてトイレに入り用を足した。


すぐに他の生徒達に混じりプールの授業を受けてあっという間に時間が過ぎていった。


更衣室で着替えているとチラリと男の子の姿を見た。幸いな事に向こうはこちらに気が付いていない状態であった。


そういえば、今日は男子更衣室のトイレの修理で女子更衣室のトイレを使用するかもしれないとプールの先生が言っていたっけ。


ひとまず着替えが終わり帰宅する。











 家に着き心時良い疲れを感じてると、





 《風呂に入る前に色々教える事があるの》





と、三花ちゃんが言ってくる。





 《えっと何かな?》





僕が聞いてみると明らかに色々教えたがりたい顔をした三花ちゃんが存在し、ピアノのレッスンの続きからその他多種多様な稽古事を教えてくれた。


さすがにPCは父親の部屋にあるのでプログラミングの基礎知識やキーボードの写しを書いてある紙を渡されブラインドタッチの練習をした。





僕のセーブ&ロード能力は身体は疲れないが、精神は何度もリプレイみたいな事をしていて魂に記憶させる為肉体的疲労より、精神的疲労がたまっていった。


でもこれらは僕にとっては大事な作業と言うか経験値を積むと言う事。


自分の成長が手に取る様にわかる・・・とまではいかないけど、確実に身に付いて行ってる感じがする。





 三花ちゃん先生に教えて貰う事しばらく、お互いに疲れてきた所で風呂に入る時間になった。


家族皆で湯船に入り身体を洗う。その後はまた浴槽に浸かり1日の身体の疲れをいやした。


その後皆風呂から上がり自由時間になる。でも僕にとっては吸収しないといけない事が豊富にありのんびりとしている余裕は無かった。








 《では次は絵の練習でもしましょうか。まずは雄蔵さんが書いてみて。》





そう言いつつ、三花ちゃんは紙と鉛筆を持ってくる。





 そこで僕は、





 《では手鏡は無いの?あればうれしい。》





と言い三花ちゃんに手鏡を準備してもらい、自画像すなわち三花ちゃんを描いた。


黙って三花ちゃんは僕が描く自画像を見つめる。





 《なかなかうまいじゃない。では今度は私が描くわね。私も自画像を描くわ。》





と、鉛筆を削り描きだした。


僕とは比べられない程速筆でしゃしゃしゃっと描いていく。





 《ふうっ~。出来たわ。》





と三花ちゃんが鉛筆を下すと、実に見事なみかちゃんの絵柄があった。


僕は線だけで描いて濃淡も一応書き込んではいたが、彼女は見慣れているせいかところどころディフォルメされており、より可愛さを強調していた。





 《雄蔵さんは絵の才能があるわね。でも見本等の物を書く場合ね。頭でイメージした物とかポーズとか描けるかしら?》





僕は褒められてうれしい気持ちになったが続いての言葉でどきりとした。





 《確かに見本品があるのは何とか描けるかもしれないけど、イメージした物とかはまだまだだね。》





僕は正直に答える。





 《ではイメージした絵柄を描く練習をしましょう。ではまずはリンゴからいってみましょうか。》





絵柄も反復練習だ何度もイメージして描き続ければ上手くなるらしい。





 《わかったよ。》





と言いリンゴをイメージして描いてみる。簡単な様で意外と難しい。何とか描き上げたら三花ちゃんはおもむろに本棚に向かいとあるファイルを持ってきた。そこには以前描いたと言うリンゴがありそのうまさにほれぼれした。でもこれは見本品があっての事。要は答え合わせみたいな物だ。











 それから色々な物をイメージして描いた。三花ちゃんがテーマを指示しそれを描く。反対に僕も指示し三花ちゃんが描くと言う事を繰り返した。そうこうしている内に2人とも精神的に疲れてきて今日はお開きと言う事になり、睡眠をとった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ