2、やり直し
僕の名前は鏡原雄蔵かがみはらゆうぞう。45歳、独身。
小さい頃からゲーム、アニメ、漫画、ラジオその他もろもろが好きで色々部屋にためこんでいた。
学生時代遊びほうけて勉強もせずただのほほんとして日々を過ごしてきた。
一応サラリーマンとして働いてはいるが、仕事以外は休日は家に閉じこもりゲームをして過ごしていた。
とにかく僕はゲームが好きだ。もちろんこの世界はゲームの様にセーブ＆ロード、コンティニュー等出来ないただ１度きりの人生。
現在の記憶を持ちゲームの様に人生をやり直してその時々に別の選択を選んだ道を進めて来たらどの様な人生だっただろう・・・。
勉強をはじめ、生活習慣等改めて成長したらどの様になっていただろうか。
あと、小説の様に未来の知識を持つから成功していただろうか？
もしくは知識がある故不幸な道を歩むだろうか・・・。
そんな事を考える日々を過ごしていた。
ある日の事、夢を見た。
内容はにわかに信じられないが、
『君に特殊能力を授けよう。目が覚めたら確認してみるがよい。』
と何者かが言い放った。
翌日目を覚ますと見知らぬ空間にいた。
『どこだ？・・・ここは・・・。』
何事かと思い辺りを見回すと白い空間にいる事が判る。
『一体ここはどこだろう・・・。初めて来たな・・・。』
しばらくするとどこからともなく何者かが現れた。その者は人形の様であり、妖精の様でもある。
「君の願いを叶える為に参上した。人生をやり直したいんだってね。」
その者は神々しいくらいの光を放ち、僕はその圧倒するオーラで自然と手を合わせ拝んでおりなんとか返答した。
「はい。出来れば今の記憶を保ったままでやり直したいと思います。」
何者かに言うと、
「みなまで言わなくてもわかっている。君に特殊能力を授けようと思う。」
聞いてみると大体以下の様な事が出来るらしい。
1、願えばセーブ＆ロードが出き、そのつどデータ作成する事が出来る。
2、現在の人生をメインデータとして残す事ができいつでも戻る事が出来る。
3、例えばその時により姿、形、家族構成等の設定を変更出来る。
4、現在の記憶の持ち越しができ、時代背景も「設定」の能力により自由に出来る。
5、すでにオートセーブであり、念じればいついつの時からと選択が出来る。
6、気にいったイベント等は何回でもリプレイが出来る。
まあ、おおまかに把握したのでも破格の能力であると思う。
ゲームで言う所のセーブ&ロード、性別変更その他もろもろよく聞く内容であった。
「忘れない様に説明文として設定に記るす。」
とも言われた。
現在の人生を主体として、設定を変える事が出来る。ひとまず試しとして性別を変更してみた。
『漫画や小説等で性別変更とはよく聞くけど、実際自分自身がなるとこんな感じなんだな・・・。』
剛毛とまではいかないが腕毛やすね毛、身体中うぶげだらけだったが俗に言うムダ毛が無くつるつるで自分で腕やすねを触ってみたがいい肌触りだと自画自賛した。
他にも現在の僕の容姿を基準としての基本体型、設定による体型の変更等出来るらしいのでおいおいと試そうと思う。
僕が自分のすべすべした肌に見とれていると何者かが言ってきた。
「世界によっては元の自分と同じ世界に生きる事が出来、自分と接する事も出来るし赤の他人として関与しないと言う事も出来る。すなわち、世界線によっては自分自身の幼馴染としてや、世話焼きの彼女として接する事が出来る。極論すれば自分自身と結婚する事が出来る。」
僕は「どうやって？」と聞き返すと、
「これも君が過去にしたゲームに搭載されていたシステムを思い出すがいい。
すなわち、別人格設定をして女キャラを作成し成長させる。同時進行で第２の人生を歩んでいる男の自分自身も作成し、男自分と女自分とが付き合う様にするといい。
歴史は連動されており、お互いが干渉し合う世界を創る事が出来る。」
なんとなくむなしい気持ちも沸いたが、今現在の独り身に比べれば自分自身とは言え結婚をして家庭を築き両親に孫の顔を見せる親孝行が出来る。ただし別の世界線でだが・・・。
まずは性別の変更と過去に流産したと言う兄弟がいる。頭脳明晰、容姿端麗、スポーツ万能、裕福、家族円満等思いつく限り好都合な設定をして記憶を持ちつつ人生をやり直す。
一体どの様な人生を歩む事になるのだろうか・・・。
「では、準備が出来たなら言いなさい。念じればまたここの場所に戻り設定し直す事が出来ますから安心なさい。」
僕改め私は心の準備ができた事を言うと、しばらくして視界が暗転した。
